リコーダーJP J.S.バッハ作品


ソナタ ロ短調 BWV1014


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★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★

1018 リコーダー用 1800円+税
RB-018 リコーダー用  900円+税
(絶版)
SR-039 リコーダー用  3800円+税
SV-001 ヴァイオリン用 1800円+税

ダウンロード製品 リコーダー用 620円(税込)
ダウンロード製品 ヴァイオリン用 620円(税込)



★解題★

 この曲のオリジナルはヴァイオリンとオブリガートチェンバロのためのソナタです。バッハのヴァイオリンソナタというと無伴奏のシリーズが有名ですが、ほかにオブリガートチェンバロの曲が6曲、そして何曲かの通奏低音つきのソナタもあります。ことにオブリガートチェンバロのためのソナタはフルートのためのシリーズとならぶ名曲ぞろいで、録音も数多く行なわれています。

 これらのソナタは1725年ごろにライプチヒで書かれたものだろうと言われ、カフェでおこなわれていた小さな演奏会でバッハ自身も出演して初演されたものだそうです。作品としての特徴は、何と言ってもバッハ独自の「チェンバロ右手も独奏楽器や低音と対等」という書法にあります。ときにはヴァイオリンが2声以上を奏でる上にチェンバロ右手も複数声部を弾き、5声・6声の音楽になる場面もあるという大変なものです。もっとも、この書き方は、演奏効果というか音響的な観点から言えば少し無理がある(観念的にすぎる)場面もありますが、しかしそういう問題を越えて、音楽の中身のすばらしさが嫌でも胸に迫ってくるがのが、バッハの偉大なところでしょう。

★解説★

 このBWV1014のソナタは6曲の中で最初に書かれたものだろうとされています。こころの深いところをみつめながら深い悲しみを歌う第1楽章、キビキビとしたフーガの第2楽章、あたたかな慰めに満ちた第3楽章、そして再び快速で峻厳な表情をみせるフーガふうの第4楽章と、どの楽章も緻密にできていて、かつ全体の統一感もすばらしいものです。

 第1楽章はアダージョ、4分の6拍子。何度も登場する瞑想的な長い弾き伸ばしと、3度または6度の音程で平行して悲しげに動く8分音符のモチーフが音楽の骨組みをかたちづくり、細かな装飾的パッセージが絶妙の味付けになっています。なにしろ音楽がらにじみ出る思いの深さはバッハならではのものです。

 第2楽章はアレグロ、2分の2拍子。独奏とチェンバロ右手・チェンバロ左手がまったく対等の声部としてくりひろげる緊迫したフーガで始まります。しかし途中、長調に明るんでしばらくチェンバロが伴奏に回る場面もあり、一本調子になりません。心憎いほどの名品です。

 第3楽章はアンダンテ、4分の4拍子。こんどはあたたかく親しみやすい肌合いの長調の音楽です。チェンバロの対旋律に乗って独奏楽器が小味に美しく歌います。

 第4楽章は再びアレグロで、4分の3拍子。バッハが好んだ同音連打のモチーフにより3声のフーガふうに始まりますが、ソナタ楽章らしく前半・後半ともに繰り返される構成です。4つの楽章の中でも最も「声部の対等」が徹底しており、したがってチェンバロの右手または左手が主役になり、主役のはずの独奏楽器が脇役を務める場面も多い音楽です。この点が独奏ソナタとしてはやや独特なところですが、しかし、峻厳な表情といい緊密な構成といい、やはりフーガふう音楽として極上のものになっています。



※ 演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏(ニ短調)
第1楽章 C−1
第2楽章 C−2
第3楽章 B−3
第4楽章 C−2
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


■ヴァイオリンによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
※ヴァイオリン演奏: 棚田めぐみ  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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