リコーダーJP 楽曲解説
    

ブランデンブルグ協奏曲 第6番


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★この曲を収録したCDつき楽譜★
3032 リコーダー用 2800円+税
RL-032-1 リコーダー用(第1楽章) 1200円+税
RL-032-2 リコーダー用(第2・第3楽章) 1200円+税



■ブランデンブルグ協奏曲

 「ブランデンブルグ協奏曲」というのは6曲のいろいろな編成とスタイルによる「協奏曲」を集めた曲集で、1708年から1723年にかけてバッハがケーテン公の宮廷楽長をつとめていた時代に当地の宮廷管弦楽団のために書かれたものと考えられています。それがのちにまとめてブランデンブルグ辺境伯に捧げられたので「ブランデンブルグ協奏曲」とよばれます。

 ケーテン公はたいへん音楽好きで、この時代としては比較的規模の大きな、しかも優秀な管弦楽団を抱えていました。この楽団で演奏するためにバッハが思う存分に筆をふるった作品ですから、どの曲も独奏者にはそうとうの腕前が要求され、音楽的にも密度の高い傑作ぞろいになっています。


■第6番について

  この「第6番 変ロ長調(BWV1051)」は、ヴィオラ2丁、ヴィオラ・ダ・ガンバ2丁、チェロ1丁、および通奏低音(ヴィオローネとチェンバロ)という6声部で演奏するように書かれていますが、ヴィオラ・ダ・ガンバやチェロに比べて2丁のヴィオラに与えられた役割がきわめて大きく、まるで「2丁のヴィオラのための協奏曲」のような印象を受けるでしょう。RJP版では、2丁のヴィオラを2本のアルトリコーダーに割り当て、それ以外の全パートをチェンバロが担当する編曲になっています。

 曲は3つの楽章から成っています。

 第1楽章は、自筆譜に発想表示がありませんが、「アレグロ(快活に)」でしょう。 Recorder I とRecorder II による、2分の1拍ズレた同度カノンの音楽で主要主題が提示されることによって曲が始まります。それが一段落すると、今度は低音から始まる「2拍ズレ」の同度カノンで始まる副主題部の音楽になります。以後、この二つをいろいろに発展させた内容の音楽が交互にあらわれ、最後に114小節から力強く主要主題が回帰して、楽章をしめくくります。

 第2楽章は、Adagio ma non troppo (ゆっくりと、しかし遅すぎないように)と指定され、2分の3拍子です。原曲ではヴィオラ・ダ・ガンバが完全に休みますので、ほぼトリオソナタのような書法になっています。歌謡性がゆたかで、緩徐楽章としてはブランデンブルグ協奏曲全部の中でも屈指の美しさでしょう。

 第3楽章は、Allegroと指定された8分の12拍子の楽章。Recorder I とRecorder II がユニゾンで開始する主要主題は力強くて躍動感があります。軽妙な掛け合いや可憐な問答のようなエピソードなど、副主題的な要素も導き入れますが、いずれも独立性は弱く、すぐに主要主題が立ち戻ってきます。途中から全く新しいトッカータふうの主題が始まって、ト短調を基調とする中間部のような部分になります。しかし、ここにも主要主題の影がときどき差してきます。そして、ダ・カーポの指定により、また第一部分が演奏されて、全体をしめくくります。


※ 演奏例がお聴きいただけます

第1楽章
第2楽章
第3楽章

※リコーダー演奏: 中村栄宏 庭野宏樹   電子チェンバロ演奏: 石田誠司


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