W. A. モーツァルト
フルート四重奏曲 第1番 KV285


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★この曲を収録したCDつき楽譜★

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★解題★

 フルートおよび弦楽器(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ)のための四重奏曲で、1777年ごろ、フルート愛好家であったドゥ・ジャンという人の依頼で書かれた作品群のうちの1曲です。当時モーツァルトは母親と二人でパリをめざす旅行の途上で、マンハイムに滞在中でした。同じころに書かれた2曲の協奏曲とともに、最も愛されているフルート曲のひとつだと言えるでしょう。

★解説★

 第1楽章はアレグロ、4分の4拍子です。冒頭の主題が歌い出したとたんに心がとらえられてしまうのはさすがに天才の作というほかはありません。その後も魅惑的な主題を惜しげもなく次々と登場させながら、けっきょくはソナタ形式にまとめていますが、図式的な形式にとらわれないすばらしいできばえです。コーダをめぐる演出も心憎いばかりの効果を上げています。

 第2楽章はアダージョ、4分の3拍子です。弦楽器群がピチカート(弦を指ではじく奏法)で伴奏し、終始フルートが旋律を演奏します。しっとりと悲しみをただよわせる、甘美な楽章です。

 第3楽章はロンド、4分の2拍子です。軽妙なロンド主題で始まりますが、第一副主題は、まるでロンド主題部の中の副主題のような地位にあります。第二副主題部ははっきりと調も雰囲気も変えてわかりやすくなっていますが、ここでもやはりロンド主題部の要素を忍び込ませてあったりします。そういうわけで、ロンドによくある組曲めいた印象は全くなく、逆に全体として非常に統一感の強い出来上がりになっています。


※ 演奏例がお聴きいただけます

■アルトリコーダーによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
※リコーダー: 中村栄宏  電子チェンバロ: 石田誠司



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