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R. ヴァレンタイン

〜〜本場イタリアで成功した英国人〜〜


  ロバート・ヴァレンタイン(1671年ごろ〜1747年)は、イギリス人なのに音楽先進国イタリアで成功しためずらしい音楽家です。当時のイギリスは「お金はあるが音楽家は不足」だったため、主にイタリアから音楽家を招いて不足を補っていたのですから、これは快挙だったことでしょう。

 イギリスのちょうど真ん中あたりにあるライセスターという町に生まれました。彼の一家はオルガニストを多く輩出し、19世紀に至るまでこのあたりの音楽シーンに大きな役割を果たしたそうです。ヴァレンタインの修行時代のことはよくわかっていませんが、とにかく18世紀になるかならないかのころに、二十歳そこそこのヴァレンタインはトーマス・サムウェル卿の支援を得てイタリアに赴き、ローマを中心に、リコーダー奏者・オーボエ奏者として30年ほども活躍しました。それとともに、主としてリコーダーのための作品集もローマやアムステルダムでたくさん出版し、それらの作品集は彼が帰国する1731年までにはロンドンでも全て出版されていたという人気ぶりでした。また当時の愛好家が手書きで筆写した楽譜集で、ナポリの作曲家の作品ばかりを集めてある中にヴァレンタインのコンチェルトを1曲収めてあった例があり、このことから、ヴァレンタインはナポリでも何らかの活動を行ったことがあるのではないかと考えられています。

 このようにイタリアで活躍したヴァレンタインは、イタリアに傾倒するあまりかイタリアふうに「ロベルト・ヴァレンティーニ」と名乗っていました。しかし、イギリス人としての誇りも失っていなかったようで、彼がローマなどで出版した楽譜では名前の後に Inglese(英国人)と付記してありました。

 ヴァレンタインは1747年にローマで亡くなったとみられています。

 ※ 以前、生没年や死去した土地を「1680年ごろ〜1735年ごろ英国で」としていましたが、新しい研究成果に基づいて訂正しました。 (2016年8月6日)



リコーダーJPから出版のあるヴァレンタイン作品

アルトリコーダー用
ソナタ ヘ長調 作品2−1
ソナタ ニ短調 作品2−2 
ソナタ ト長調 作品2−3 
ソナタ ト短調 作品2−4
ソナタ ニ短調 作品2−5 
ソナタ ハ長調 作品2−6 
ソナタ ホ短調 作品2−7
ソナタ ハ長調 作品2−8
ソナタ イ短調 作品2−9
ソナタ ハ長調 作品2−10
ソナタ 変ロ長調 作品2−11
ソナタ ヘ長調 作品2−12

ソナタ ニ短調 作品3−1 
ソナタ ト長調 作品3−2 
ソナタ ヘ長調 作品3−3 
ソナタ ハ長調 作品3−4
ソナタ イ短調 作品3−5
ソナタ 二短調 作品3−6 
ソナタ ト長調 作品3−7
ソナタ ハ長調 作品3−8
ソナタ イ短調 作品3−9
ソナタ 二短調 作品3−10
ソナタ ト短調 作品3−11
ソナタ ト短調 作品3−12

ソナタ ハ長調 作品5−1 
ソナタ ニ短調 作品5−2 
ソナタ ヘ長調 作品5−3
ソナタ ヘ長調 作品5−4
ソナタ 変ロ長調 作品5−5
ソナタ ホ短調 作品5−6
ソナタ ト長調 作品5−7
ソナタ へ長調 作品5−8
ソナタ へ長調 作品5−9 
ソナタ へ長調 作品5−10 
ソナタ ハ長調 作品5−11
ソナタ ヘ長調 作品5−12

・ソナタ ハ長調 (パルマ写本第1番) NEW!
・ソナタ 二長調 (パルマ写本第2番) NEW!
・ソナタ ト短調 (パルマ写本第3番) NEW!

ソナタ(2本のアルト) ニ短調 作品6−1
ソナタ(2本のアルト) ヘ長調 作品6−2 
ソナタ(2本のアルト) ハ長調 作品6−3
ソナタ(2本のアルト) イ短調 作品6−4

ソナタ(2本のアルト) 田舎での休日 第1番 ヘ長調 
ソナタ(2本のアルト) 田舎での休日 第2番 ト長調 
ソナタ(2本のアルト) 田舎での休日 第3番 ハ長調
ソナタ(2本のアルト) 田舎での休日 第4番 ニ短調 
ソナタ(2本のアルト) 田舎での休日 第5番 変ロ長調 
ソナタ(2本のアルト) 田舎での休日 第6番 イ短調


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