リコーダーJP シックハルト作品
    


ソナタ 第11番 ヘ長調
(「24のソナタ 作品30」より)

★この曲を収録したCDつき楽譜★
アルトリコーダー用: RG-125 900円+税
SR-074 リコーダー用 3800円+税



★解題★

 J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)

  すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。

 RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)

(一部改稿 2011.08.24.)



★解説★

 7つの楽章から成り、プレリュード(前奏曲)と6つの小曲から成る組曲のような体裁です。ゆっくりした楽章は真ん中の第4楽章サラバンドだけで、他はすべて快速楽章という、シックハルトらしいキビキビした印象の作品です。

 第1楽章はプレリュードと題され、アレグロ(快活に)、4分の4拍子です。分散和音のモチーフから始まり、16分音符を中心とするモチーフ、付点リズムのエピソード、3度音程を組み合わせたモチーフなど多彩な音型を次々と繰り出し、短い中にぎっしりと詰め込んだような曲です。

 第2楽章はプレスト(速く)、4分の3拍子です。こんどは第1楽章とは対照的に、4分音符の分散和音音型の動機と、8分音符のきらめくようなジグザグ音型のモチーフを、転調しながら何度も扱う構成です。演奏テンポは、速めのワルツぐらいでも良いでしょうが、1拍子にきこえるほど快速なテンポでもよさそうです。

 第3楽章は再びアレグロで4分の4拍子。アルマンドふうに少し落ち着いた快速楽章のように思われます。内容的に第1楽章と通いあうものが感じられ、曲全体が統一的な印象を残すのにひと役買っています。

 第4楽章はサラバンドで、2分の3拍子です。ゆったりと歌い始めますが、すぐに付点のリズムが支配するようになり、曲全体の持つ活発な性格がここにも投影しています。

 第5楽章はコレンテ(クーラント)、4分の4拍子です。付点リズムを基調とするクーラントはシックハルトがたいへん好んで得意としたジャンルでした。この楽章も、短めながら語り口が明快で非常に引き締まった印象を与える佳品になっています。

 第6楽章はまたアレグロ、4分の4拍子です。音階で下ってくるモチーフに始まり、第1楽章で聴きおぼえのある特徴的な句を織り込みながら曲をまとめています。全体の構成においても第1楽章や第3楽章を圧縮して作ったような趣があり、このこともまた全体の統一感に寄与しています。

 第7楽章はヴィヴァーチェ(生きいきと)、4分の3拍子です。これはメヌエットとみても良いと思いますが、「ヴィヴァーチェ」の指定を重視して、もっと速い独特な3拍子曲とみることも可能かも知れません。平凡ではあるにせよ、ソツなくまとめられた品のよい楽章です。


★試聴ファイル★

MIDIチェンバロ:石田誠司  リコーダー:石田誠司(へたくそですみません)

※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(C−1)
第2楽章(B−3)
第3楽章(C−1)
第4楽章(B−1)
第5楽章(B−3)
第6楽章(C−1)
第7楽章(B−2)


シックハルトのページにもどる

HOME

Copyright 2011 RecorderJP Inc. All rights reserved



.