リコーダーJP シックハルト作品
    


ソナタ 第16番 ト短調
(「24のソナタ 作品30」より)

★この曲を収録したCDつき楽譜★
アルトリコーダー用: 2164 1500円+税
アルトリコーダー用: RG-164 900円+税

SR-094 リコーダー用 3800円+税



★解題★

 J.C.シックハルトの「24のソナタ 作品30」は、原題は「音楽のアルファベット 24のソナタ」で始まる長いもので、1735年ごろの出版だそうです。1722年に発表された大バッハの「平均率クラヴィーア曲集」と同様に、「すべての調によるソナタ」であることが狙いの一つだったようで、フルート、ヴァイオリン、リコーダーのどれで演奏してもよいことになっていました。(音域が違いますから、その場合は音符記号の読み替えにより、移調して演奏するようになっていました。)

 すべての調、というからには、シャープやフラットの記号が5つも6つもついたような調号になる曲も出てくるわけですが、難しい場合は、やさしい調で演奏することもできるようになっていました。たとえば、「嬰ハ長調」(シャープ7つの調)の曲の楽譜を、「ハ長調」の楽譜として読んでしまえば格段にやさしくなります。そういうことをしてもよいということになっていたのです。

 RJP版では、フランス・ブリュッヘンらが提案している調の選定(全音楽譜出版社刊「24のソナタ」による)と曲配列にもとづいて出版していきます。(ブリュッヘン版では原典と異なる曲配列になっていますが、RJP版でもブリュッヘン版が付した曲番号を踏襲するということです。)

(一部改稿 2011.08.24.)


★解説★

 原典ではト短調または嬰ト短調の「第16番」のソナタで、ブリュッヘン版でも16番です。

 全体は7つの楽章から成り、たいへん大規模で長大なソナタです。全体に躍動感にあふれた秀作です。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子で、テンポは遅いながら、かなり細かな音符で語る箇所もあって、たんねんに作り込まれた楽章になっています。

 第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の4拍子です。16分音符の速い動きを中心に音楽が進みます。後半に出てくる反復進行が美しく、同じ16分音符の音楽といってもいろいろに表情を変えていくのが面白いところです。

 第3楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の3拍子で、堂々とした形式の大規模な曲です。8分音符の動きが中心ですが、「ミ♭」に絡んで指づかいの難しいところがかなりあって、上級者でも少し注意して演奏したほうがいいでしょう。

 第4楽章はラルゴ(広々と)、2分の3拍子です。付点のリズムと、わりに頻繁なヘミオラが味になっていて、面白く書かれています。

 第5楽章はヴィヴァーチェ、4分の3拍子のコレンテ(クーラント)です。シックハルトはこのような付点リズムを主体とするコレンテが大好きで、よく書きました。この楽章も、よく工夫された佳品です。

 第6楽章はジーガ(ジーク)とタイトルが示されています。一本調子にならない、変化に富んだ内容になっていて、シックハルトの面目が躍如とした秀作。本曲の白眉だと思います。

 第7楽章はアレグロ、4分の4拍子の短い終曲。長大なソナタを、まるで「おまけ」のような短い終曲で軽く締めくくっています。こういうやりかたは、中期バロック末のコレルリなどにも先例があって、イタリアの後期バロック作曲家たちが、ときどき真似ていました。シックハルトにもかなりたくさんの例があります。

★試聴ファイル★

通奏低音(電子楽器): 石田誠司  リコーダー: 石田誠司

※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(B−3)
第2楽章(C−1)
第3楽章(C−1)
第4楽章(B−1)
第5楽章(C−1)
第6楽章(C−2)
第7楽章(C−1)


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