リコーダーJP テレマン作品


ソナタ 変ロ長調(忠実な音楽の師より)



YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」
全曲ノーカットで試聴できます


★この曲を収録したCDつき楽譜★
RB-015A リコーダー用  900円+税(絶版)
1015 リコーダー用 1800+税
SR-003 リコーダー用  3800円+税
ダウンロード製品 620円(税込)




★解題★

 テレマンの「忠実な音楽の師」は、「音楽の練習帳」と同じく当時家庭で親しまれていた楽器をさまざまに組み合わせた編成の楽曲から成っていますが、1年間にわたってつぎつぎと刊行されるという、当時としてはたいへん新しい発表形式をとりました。いわば音楽ファンのための定期刊行物として企画され出版されたわけです。このあたりに、作曲家としての才能だけでなく、事業家・ジャーナリストの才能も兼ねそなえたテレマンの面目がよく表れているといえるでしょう。

 この変ロ長調のソナタは、どの楽章もすべて通奏低音が笛と同じ旋律を弾いて追いかけるカノン形式でつくられているところに際立った特徴があります。こういう厳しい枠をはめて作られていながら曲調も軽快で楽しく、巨匠テレマンの冴えた腕前に舌を巻くしかない傑作。


★解説★

 曲は4つの楽章から成っています。

 第1楽章は「ラルゴ(はばひろく)」、4分の3拍子。付点ではねるリズムを基調とした、おだやかに歌う音楽です。ふつうの曲ならゆっくりな楽章ではよく装飾や変奏を加えながら演奏しますが、この場合は低音とカノンになっているのがミソですから、あまり変えないで楽譜どおりに演奏するほうがよいでしょう。

 第2楽章はアレグロ(快活に)で、軽快な4分の4拍子です。旋律としてかっこよくキマるフレーズが次々とくり出され、しかも2小節後では同じ旋律が低音の音型としてもピタリと決まっていくさまには、全く驚嘆するしかありません。ただ、曲の1小節目と2小節目は通奏低音が休んでリコーダーだけになる(つまり長い間伴奏が休む)関係で、伴奏CDによる場合には3小節目から出るチェンバロに合うように吹くのはかなり困難です。そこで、リコーダーJP版では2小節目で右手を少し弾いています(この処理は同様の問題がある後半冒頭でも行っています)。

 第3楽章は再び「ラルゴ」で4分の4拍子です。明るい第1楽章とは対照的な短調の音楽で、2拍遅れのカノンであるため通奏低音が笛と同じ旋律を演奏しているのが非常にわかりやすくて楽しめます。

 第4楽章は「ヴィヴァーチェ(生き生きと)」、8分の3拍子の活発な感じの音楽です。カノンは2小節遅れですが、テンポが速いので、ずれて低音がついて来ているのはかなりわかりやすくなっています。速い曲にしてはトリルの指定が多くて苦労させられますが、第2楽章よりはやさしく演奏できるでしょう。


※ 演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章 (B3)
第2楽章 (C3)
第3楽章 (B2)
第4楽章 (C2)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 堀川智也さん  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


テレマンのページにもどる

HOME

Copyright 2005-2020 RecorderJP Inc. All rights reserved



.