リコーダーJP テレマン作品


装飾範例つきソナタ 第7番


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★この曲を収録したCDつき楽譜★

1036 リコーダー用  1800円+税
SR-090 リコーダー用 3800円+税
ダウンロード製品 620円(税込)


RB-036 リコーダー用  900円+税 (絶版)


★解題★

 『装飾範例つきソナタ集』は、緩徐楽章について、作曲者自身が装飾のお手本を示して、アマチュアの学習の便に供しようというコンセプトのソナタ集です。第1番〜第6番が「ヴァイオリンまたは横吹きフルート用」(1728年)、第7番〜第12番が「横吹きフルートまたはヴァイオリン用」(1732年)として、いずれもハンブルグで出版されました。
 そういうわけで、残念ながらアルトリコーダー用の版は伝わっていません。しかし、使われている音域をみると、最高音がかなり低めに押さえられており、3度ほど高く移調してアルトリコーダーに転用することをきっと視野に入れていたろうと推測できます。いずれにせよ、いつもアマチュア愛好家の必要に応えようとしていたテレマンならではのアイデアが形になった、すばらしい作品集です。


★解説★

 ロ短調の原曲を3度高くニ短調に移調しました。テレマンらしい、良い意味での通俗性を十分に持った、楽しみの豊かな作品だと思います。

 第1楽章はシチリアーナ(シチリアーノふうに)と指定された8分の12拍子の楽曲です。舞曲の形を借りてはいますが、内容的には、むしろ情緒の振幅がかなり大きな「熱い」曲です。印象的な偽終止を何度か用いて音楽が切れないように歌い次いでいるのが耳に残ります。

 第2楽章はアレグロ(快活に)と指定された4分の2拍子の楽章です。最初に示されたテーマを、調を変えたりしながら何度か挟みつつ、いくつもの印象的な主題を次々に惜しげもなく投入します。

 第3楽章はドルチェ、マ・ノン・アダージョ(甘美に、しかし遅くないテンポで)と指定された4分の4拍子の楽曲です。テレマンが得意とした、振り子がふれるようなリズム感の中庸テンポの音楽とみていいでしょう。歌いがいのある胸に響く旋律をつむいでいきます。

 第4楽章はグラーヴェ(重々しく)と指定された、2分の3拍子の短い楽章です。いきなり「減7の和音」のきしんだ響きで始まって度肝を抜き、あとはすぐに収束に向かって、第5楽章への導入の役割をします。

 第5楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、8分の3拍子です。前半部ではニ短調と、その平行長調であるヘ長調二つの主題を対照的に示し、後半部ではその展開が始まったかと思うと、その流れのなかで第二主題の主調による再現に移ります。そして前半部の終結部(ヘ長調でした)を主調に移した音楽でしめくくります。このように、のちの「ソナタ形式」につながる組み立てになっています。

 第6楽章はプレスト(速く)、4分の4拍子で、実質的には第5楽章に当たる、速くてコンパクトな終曲です。速いジグザグ音型で始まり、通俗的といえば通俗的な歌いまわしで音楽が進みます。


※ 演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B2)
第1楽章・テレマンによる装飾例(C2)
第2楽章(C2)
第3楽章(B3)
第4楽章(A2)
第5楽章(C1)
第6楽章(C1)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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