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テレマン カノンによるソナタ 第1番

★この曲を収録したCDつき楽譜★

RL004 リコーダー用 900円+税



■カノンによるソナタ■
 テレマンの「カノンによるソナタ」は、彼の後半生にあたる「ハンブルグ時代」の作品。6曲から成っている無伴奏のデュエット集で、1737年、パリで作品演奏会を催して大成功をおさめた50台なかばのテレマンが、すかさず翌年にパリで出版したのがこの曲集でした。

 楽器としてはヴァイオリンまたはフラウト・トラヴェルソが指定されていますが、当時、トラヴェルソ用の曲を3度ぐらい高く移調してリコーダーで演奏するのはごく普通のことで、「そうしたらいいよ」というのは当時の出版譜にも書かれているそうです。ですから、テレマンとすればリコーダーで演奏されることは当然想定して書いていたとみていいでしょう。

 それにしても、ソナタ全曲を完全なカノン(1小節など決まった拍数だけ遅れてずれて他のパートが入ってくる楽曲)で構成するアイディアといい、また、できあがった曲のおもしろさといい、いやはや、「さすがはテレマン」と言うしかありません。

 曲はパリで出版されているだけに、垢抜けた優美さ、気の利いたはなやかさをもち、すみずみまで魅力にあふれています。繊細な歌いかた、おどけたようなリズム感、重々しい表情、きっぱりした表情など、音楽的にも多種多様な表現がつぎつぎと繰り出され、演奏する上で工夫しがいのある曲になっているのも特長でしょう。そのうえ、もちろん第1リコーダーを演奏したときの「追いかけられる楽しさ」、第2リコーダーを演奏したときの「追いかける楽しさ」という、カノンならではの面白さもたっぷり味わえます。音楽ファンのために、こんな楽しい作品を残してくれたテレマンは、やはり「家庭音楽の大家」の名にふさわしいですね。


■第1番 各楽章について■

■第1楽章
 4分の6拍子というのは、やや馴染みがうすいかたもいらっしゃるかも知れません。8分の6拍子と同じように「3拍をまとめて1拍と感じる2拍子」というとらえかたが基本ですが、8分の6拍子に比べると「3拍子が二つくっついた」という感じが強いように思います。その意味では、1小節をふたつに分けて、3拍子で数えていってもそんなに悪くないでしょう。
 全体は3つの部分から成り、主テーマとサブテーマから成る第1部分(1〜13小節あたり)、短い第2部分(14〜19小節)、そして再現という構成になっています。最後は一瞬の明暗の交代があったり(29小節)、また3連符も登場したりして、まことに気が利いた楽しい音楽になっています。

■第2楽章
  独特なリズムを持つアダージョです。付点音符のリズムはかなり重く(つまり3:1よりも4:1に近い割りかたで)演奏すると感じが出るかも知れません。
 冒頭の音型は、低いほうの音がひとつの声部、高いほうの音でひとつの声部というつもりでとらえてください。つまり、この音型を吹くときはひとり二役なのです。こういうのは、声部が少ない(たとえば無伴奏ソロ曲、無伴奏デュエット曲)にはよく出てくる手法で、声部の少なさをこうやって補うのですね。

■第3楽章
 軽妙快活なアレグロです。リズム感よく、そして音にメリハリをつけて演奏すると、たいへん楽しい音楽になります。
 ことに「短い音符で歌う」ことができるとすてきです。たとば冒頭小節の「ファ・シーラ」というところは、ファの音を軽く短く、そして次のシの音はアクセントをつけ、できれば軽いビブラートも入れて「歌う」気持ちで演奏すると、音楽が生き生きしてきます。シンコペーション(アクセントが2 拍目などに移ること)の面白さ、そして伸びやかな歌心もそなえた、絶妙な モチーフですね。
 全体は「ロンド形式」で、主テーマが何度か繰り返されるのに挟まれて、少し別なテーマを持つ部分がふたつ置かれています。いわばA-B-A-C-Aという具合。Bに当たる部分は21小節から38小節までで、リズム感がすこし変わります(シンコペーションでなく「頭アクセント」の音楽になる)。C にあたる部分は59小節から79小節までで、ここは短調になってすこし音楽が暗くやわらかみを帯びますから、タンギングの感じもすこしやわらかくして、音も長いめに演奏してみてはどうでしょう。
 短調の部分が終わってすぐにテーマが戻るのかと思うと、1小節のつなぎが挟まれる「楽しい予想の裏切り」があるあたりも大家の風格で心憎いばかり。すみずみまで楽しめる傑作です。


※ 演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
※リコーダー演奏: 早川廣志



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