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電子楽器のミュージシャンの皆さん

私はMIDIミュージシャン兼リコーダー吹きです

MIDIピアニスト・MIDIチェンバリスト・作曲家・リコーダー奏者
石田誠司



 電子楽器のミュージシャンの皆さん。何を隠そう、私はMIDIピアニスト・MIDIチェンバリストを名乗る、MIDIを主として扱う電子ミュージシャンの端くれです。その私が、セカンド楽器としてリコーダーを愛奏し、ついには、リコーダー演奏を提案するプロジェクトのスタッフになってしまった、そのいきさつを、同業のよしみ、ちょっと聞いてください。

 もともと私は作曲をやっていたのですが、自作を音にする手段としてMIDIを始め、そっちの方面でもアマチュアとしては少しは名を知られた人間でした。やがて、私はMIDIによってピアノ曲を演奏するという専門を持ち、クラシックのピアノ曲をMIDIで演奏するということにかけては、多少自信があるところまで来ました。

 しかし、そうした活動を続けているうち、無性に「生の音への飢え」を感じるようになったのです。

 そこで、私は、かねがね興味があった、独奏リコーダーをやってみることにしました。そしたら、これが、手軽さといい、名曲がいくらでもあることといい、体を使って音を出して歌っていくことの生理的快感といい、ふだん電子楽器を扱っているからこそ、ほんとうに心が癒されリフレッシュする、最高の時間を持てる楽器だということがわかったのです。

 「リコーダーなんて、しょぼいじゃん・・・」だなんて、それは無知というものですよ。キース・ジャレットが、ミカラ・ペトリというリコーダー奏者と共演した実に面白いCDがありますから、よかったら一度聴いてみてください。曲目はヘンデルのソナタというバロック作品だけど、バッハと並んで偉大なヘンデルは、このジャズピアニストのインスピレーションを刺激して、天才リコーダー奏者ペトリとの共演という舞台で、まさに丁々発止の緊張感の高い一騎うち。それでいて遊びの精神にあふれた躍動的な演奏です。リコーダーって、ここまでできる楽器なのか、と目からウロコとなることは請け合い。

 もちろん、ペトリのようなわけには、なかなか行かない。しかし、音楽家である皆さんにとって、電子楽器の音にふと疲れを感じたとき、心の乾きをいやしてくれるためには、生楽器らしい生楽器こそ、最もふさわしいと思います。それに、体で歌うことを忘れたら、音楽家はおしまいだ。いつも、この感覚をしっかり体に覚えさせておくことは、きっと、本業の電子楽器演奏においても、生きてくる。

 そういうわけで、電子楽器奏者の皆さんに、セカンド楽器・アルトリコーダーを、ぜひともとお勧めするしだいです。

 なお、伴奏をつとめるチェンバロは、MIDIのいろいろな手法を存分に活用して制作している、というのは、賢明な皆さんなら、すぐにおわかりでしょう。そこへ生楽器が一本乗っかることで、実に心休まる世界が展開する。一度体験すると、なかなかクセになっちゃう面白さ・楽しさなのですよ。ぜひ一度、トライしてみてください。

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