----------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                         017号 2003.12.22. ---------------------------------------------------------------- ★ごあいさつ★  急に寒くなりました。クリスマスももうすぐですね。皆様はいかがお 過ごしでしょうか。  リコーダーJPメールマガジン第17号をお届けします。ご講読まこと にありがとうございます。  今号は新シリーズ「アラカルト」と、第一期の曲目「パッヘルベルの カノン」、「アルバム」シリーズ新ラインナップ2冊(「初心者向け傑 作独奏曲集」「藤岡恵子の世界」)のご紹介、ならびに「アンサンブル 山手バロッコ」演奏会のリポートを中心にお届けします。 ■目次■ 1 <ごあいさつ> 2 新シリーズ「アラカルト」第1期曲目「パッヘルベルのカノン」 3 「アルバム」シリーズ 第3期発売 4 「アンサンブル山手バロッコ」演奏会 リポート 5 リコーダーJPの新しい仲間 ガンバ奏者・うえだまきこさん 7 その他のおもな新着記事 8 編集後記 …………………………………………………………………………………… ★新シリーズ「アラカルト」第1期曲目「パッヘルベルのカノン」★ …………………………………………………………………………………… ■新シリーズ「アラカルト」について  新しいシリーズがまた登場です。新シリーズ「アラカルト」は、重奏 曲のマイナスワンのご提供をおもな狙いとしながら、それにこだわらず さまざまな(主としてピースものの)曲を、それぞれの曲にふさわしい 内容構成でお届けする、「何でもあり」のシリーズです。  ぶっちゃけ、「クラシックス」や「クラシックベストセレクションズ」 は多楽章形式の曲を前提とした統一製品仕様になっていますし、「オリ ジナルズ」は新作曲のチェンバロ伴奏つき独奏・二重奏曲というカテゴ リです。じゃぁ「グリーンスリーブズ」や「パッヘルベルのカノン」は どこに入るんだ? 「フーガの技法」なんかもやってみたいのに、どこ にも入らないなぁ・・・こりゃ困った・・・みたいな(^_^;  それで(何というカッコ悪い理由なんだ・・)、とにかく「曲に応じ た内容構成で、どんな曲でも出せるシリーズを作ろう」ということで、 新しいシリーズをつくりました。  極端な話、このシリーズではもうチェンバロ伴奏が入らない「四重奏 のマイナスワン」といったものまでも視野に入れたいと思っています。 http://www.recorder.jp/alacarte/index.htm ■「パッヘルベルのカノン」  そこでさっそくですが、第1期曲目として「パッヘルベルのカノン」 です。これは弦楽合奏による演奏で最も親しまれていますが、残ってい る楽譜は通奏低音とヴァイオリン3丁のための譜面だということです。  ですが、ヘ長調に移調することでアルトリコーダーの音域にジャスト フィットですから、リコーダーで演奏しても何ら問題ない・・・という より、バロック時代にはいろんな楽器に移して演奏するのはごく普通の ことでしたから、「もともと管楽器で演奏することは十分に想定して書 かれている」と感じます。  フラウト・トラヴェルソやオーボエならば原調でそのまま吹けますし、 必ずしもヴァイオリンにこだわらずどの管楽器で演奏してもかまわない、 という雰囲気(?)を、楽譜はふんぷんと漂わせているわけです。  伴奏CDでは、演奏例・伴奏のほか、「3種類のマイナスワン」と「3 種類のマイナスツー」を収録しましたので、お一人でも、またお二人で も、そしてもちろん三人でも演奏して遊んでいただけます。(例によっ て石田の笛の演奏は下手くそで申し訳ないのですが・・・)  それから、今回は初めてのこころみとして、通奏低音にヴィオラ・ダ・ ガンバの演奏を加えてみました。演奏は大阪のうえだまきこさん。本格 的に勉強されているガンバ奏者で、実に美しい音色で音楽的に弾いてく ださいました。  いちおう「ガンバなし」のチェンバロ伴奏も収録していますが、演奏 例・マイナスワン・マイナスツーにはすべてガンバの演奏が加わってい ます。また、ピッチはモダンピッチ(A=440)のみ、テンポもごく標準的 と思われるテンポ1種類だけです。大判のパート譜3部が付属していま す。(900円) http://www.recorder.jp/alacarte/x001.htm …………………………………………………………………………………… ★「アルバム」シリーズ 第3期発売★ ……………………………………………………………………………………  リコーダーJPに託していただいている現代作品を数曲まとめ、実用上 十分な3種類のテンポの伴奏を収録したCDと上装の大判楽譜をセットし、 お求めいただきやすい価格でご提供する「アルバム」シリーズ。その第 3期発売ぶんが今週中に出荷開始となります。(中旬発売の予定でした が数日遅れました。申し訳ありません。)  今回リリースとなるのは、現代作家では最も売れっ子である藤岡恵子 さんの作品を集めた「藤岡恵子の世界」と、ドレミだけ、またはドレミ ファソの5音で演奏できる「初心者向け傑作独奏曲集」です。 ■「藤岡恵子の世界 〜お洗濯のワルツ ほか〜」  藤岡さんの作品は、洗練された現代的センスが光り、才気煥発、よく 歌いよく弾む、すみずみまで音楽的な傑作ぞろい。リコーダーJPの現代 作品では最も人気を集めてきた作家です。  「お洗濯のワルツ」「お鍋のワルツ」、そして「手品師」の3曲は、 中級者から上級者向けのデュエット曲で、チェンバロ伴奏によるアルト リコーダー重奏というサウンド世界を現代に生かした、楽しさ万点の作 品です。  対して独奏曲「そよ風のメロディー」は、同じく洗練された響きです が、非常にやさしい初心者向けの独奏曲です。  どれも珠玉のような逸品ばかり。ぜひ「藤岡ワールド」を満喫してく ださい。(4曲、1800円) http://www.recorder.jp/pseries/pf101.htm ■初心者向け傑作独奏曲集  アルトリコーダーを初めて手にしたその日から、もうさっそく演奏で きてしまうような、それでいて、人生経験を経た大人の皆さんにとって も、ある程度は演奏しがいのある、美しい、「究極の入門曲」を作れな いだろうか。そしてそこから出発して、楽しみながら一つひとつ音を覚 え、無理なく指回りも習得していただいて、バロック時代以来の伝統を 受け継ぐチェンバロ伴奏という伝統的なサウンド世界に親しみながら、 リコーダー本来の美しさをたっぷり味いつつ上達できる曲集がつくれな いだろうか。それを通じて、アマチュアこそが音楽演奏の楽しみの主役 であったバロック時代のすばらしい伝統を現代によみがえらせ、身近な 場所で身近な人たちとともに音楽演奏を楽しむ文化を育てていけないだ ろうか。  石田の教則曲集『リコーダーソロイスト』は、そのような石田の願い を形にしてみたものでした。その意味で、「ドレミ」だけで演奏できる 「ロマンス」と「エレジー」は、作品の出来そのものは別として、リコ ーダーJPの活動の原点とも言える作品なのです。  「いこい」「かたらい」「古い日記帳」の3曲は、いずれも8小節し かありません。「ロマンス」を「究極の入門曲」だと思っていたら、 「あれでは長すぎて大変ではないか」という友人の意見があり、ならば と思って短いものを考えてみたのがこの3曲でした。あまりに短いので、 少し上手になられてからも遊べるように「バリエーション例」をつけて みました。楽譜に掲載したバリエーション例は、「3音だけの使用」に なっていますが、自由にバリエーションを考えていただくさいには、必 ずしも音の制約にこだわらず、いろいろとやってみていただければと思 います。せっかくですから遊び尽くしてやってください。  藤岡恵子さんの「そよ風のメロディー」は、逸することのできない名 作として、この曲集にも収録しています。  そして「ドレミファソ」の曲として、『リコーダーソロイスト』にも 収録した「アンダンテ」と「メヌエット」。いずれもていねいなタンギ ングと美しい音色に気をつけて演奏すれば、自然と一定の格調がにじみ 出てくる・・・と思います(^_^;  最後に収録した近藤さんの「山小屋の4つの窓 1」は、目が覚める ような清新な現代作品です。歯切れ良く、愉快に踊るように演奏してみ ましょう。  音楽演奏はすべてのアマチュアに開かれたものであるべきだ、そして 演奏して楽しむ楽器・リコーダーは、「今日から始めた」という初心者 のかたも、音楽する仲間として敬意をもって迎えてくれる楽器であるべ きだ・・・と私たちは考えてきました。そして、これらの「片手で演奏 できる、初心者向け独奏曲」たちは、そういう私たちの願いをこめた、 私たちの「リコーダーに対する思い」の結晶なのです。(9曲・2200円) http://www.recorder.jp/pseries/pq102.htm ※上記いずれの製品もお求めはこちらのご購入フォームからどうぞ。 http://www.comeon.co.jp/shop/form/ordersheet_albm_all.html …………………………………………………………………………………… ★「アンサンブル山手バロッコ演奏会」リポート★ ……………………………………………………………………………………  去る12月14日、横浜で行われた「アンサンブル山手バロッコ演奏会」 にお邪魔して参りました。  全体の雰囲気はサイトに掲載したリポート記事でごらんください。 http://www.recorder.jp/cpast010.htm  ここでは、朝岡聡さんのリコーダー演奏についてご紹介したいと思い ます。  アンサンブルの中で唯一のリコーダー奏者である朝岡さんは、サンマ ルティーニのソプラノリコーダーコンチェルトの第2楽章シチリアーノ、 クヴァンツのトリオソナタ・ハ長調、そしてアンコールとして演奏され たボアモルティエの5声の協奏曲ホ短調第1楽章の演奏に出演されまし た。  朝岡さんのリコーダー演奏は、まず音色が非常にクリアでしっかりし ているのが印象に残りました。音程がよく、品格の高い演奏です。サン マルティーニでもクヴァンツでも、嫌味のない自然な感じのディヴィジ ョンを加えた端正な演奏ぶりで、作品に対する尊敬の念を感じました。  また、いつもにこやかな朝岡さんですが、リコーダーを演奏されると きは、非常に厳しい表情をされていました。リコーダーJPにご協力くだ さっている早川廣志さんもそうですが、やはり音楽演奏に真剣に取り組 んでいると表情も厳しくなるものなのでしょう。  しかし、出てくる音楽はいつも軽やかで楽しいものでした。トークも 楽しく、聴きに集まった皆さんの満足度は高かったことと思います。私 も楽しい2時間をすごすことができ、本当に行ってよかったと思いまし た。 …………………………………………………………………………………… ★リコーダーJPの新しい仲間 ガンバ奏者・うえだまきこさん★ ……………………………………………………………………………………  今回ご紹介している「パッヘルベルのカノン」で、通奏低音を石田の MIDIチェンバロといっしょに弾いてくださっているのは、ビオラ・ダ・ ガンバ奏者のうえだまきこさんです。  うえださんは、ウォルテスコンソートなどに所属して活動されている 大阪在住の奏者です。中学校で音楽を教えてもいらっしゃいます。  石田は、ビオラ・ダ・ガンバやリュートの奏者でもあり製作家でもあ る平山照秋さんにご紹介いただいて、1年あまり前に初めてお会いしま した。しかし、いっしょに演奏したのは今回が初めてでした。  うえださんは本当に誠実で心温まるお人柄です。音楽に対する思いは 純粋で、「古楽器奏者なんて絶対に食べられませんよね」といっしょに 笑い、「それでも自分たちは音楽をやっていたい」という思いは石田と 同じだなぁとつくづく思いました。  録音は2度のテイクで簡単に終わり、時間が少しあったので、ルイエ (レイエ)のソナタ(4番)をいっしょに演奏して遊びました。うえだ さんはこの曲は初見だとのことでしたが、フーガの楽章も含めてほとん ど完璧に、また美しく演奏されていて、すばらしい技量を発揮されてい ました。そして「これは本当に心が温かくなるようなすてきな曲ですね。 きっとたくさんの人が買ってくださるときが来ますよ」とはげましてく ださいました。  これから、いろいろな曲についてうえださんに演奏をお願いしようと 思っていますので、どうぞ皆さまご期待ください。 …………………………………………………………………………………… ★その他のおもな新着記事★ …………………………………………………………………………………… ■木製ミニチュアリコーダー  バロックオーボエやリコーダーを演奏される音楽家・赤坂放笛さんが 1本1本完全な手作りで製作されている「ミニチュアリコーダー」のご 紹介です。  リコーダーが大好きなあのかたへのプレゼントにいかがでしょうか。 http://www.recorder.jp/goods/miniaturerecorder.htm ■Miori's Page にリンク  リコーダーコンソートを中心とするすてきな音楽がいっぱい! 楽譜 も提供されていて、リコーダーアンサンブルを楽しんでいる皆さんはす ぐに演奏してみることもできる・・・すてきなプロジェクト「ノンキー ・プロジェクト」と、中心になって活動してこられたMioriさんのページ です。美しい絵と物語、そしてMP3により演奏も聴くことができます。  リコーダーJPの掲示板などにお越しいただいたことのある皆さんの名 前も「メンバー表」に見えます。 http://www.miorio.net/ http://www.recorder.jp/links.htm …………………………………………………………………………………… ★編集後記★ ……………………………………………………………………………………  朝岡聡さんはほんとに気さくですてきなかたでした。私とほとんど同 世代になるのですが、若々しくて、音楽家としても存在感のある立派な 奏者でした。  「学校でリコーダーを習って、みんながリコーダーを手にしていると ころへ、ブリュッヘンが出てきて・・・」といったお話をしていると、 ほんとに同時に同じ年代のころに体験したことだったのだなぁとしみじ みと思いました。しかし、朝岡さんはチェンバロ伴奏のリコーダーを小 学生のときに生で聞かれたんですね。「たまたまね」とおっしゃってい ましたが、ほんとにその「たまたま」の出会いが人生に大きく影響する こともありますね。  私の場合も、小学生のとき音楽専科の先生がリコーダーがお好きで、 40人ぐらいのアンサンブルを編成してかなりきっちり練習していたので す。私も5年生のときからそれに入れていただいて演奏の楽しさを味わ いました。小学生のことですからテナーは無理だったのでしょう、アル ト・ソプラノ・ソプラニーノに、木琴やピアノ・打楽器などを加えた編 成でした。キビキビした音楽性の先生で、「八木節」や「木曾節」など は鳴り物も派手に入れ、胸がすくような音楽でした。また「荒城の月」 や「赤い靴」のしっとりとした情緒も忘れられません。  岩倉(旧姓上田)清子先生、どこかでお元気でいらっしゃるでしょう か。 (石田) -----------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                         017号 2003.12.22. ----------------------------------------------------------------- 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※上記URLから「まぐまぐ」による配信がお申し込みいただけます。現在  リコーダーJPから直接ご購読いただいている皆様は、もしできました  ら「まぐまぐ」による配信へと切り替えていただけるとありがたく存  じます。お手続きは簡単です。なお、「まぐまぐ」による配信手続き  をしていただけたかたは、リコーダーJP info@recorder.jp へもご一  報ください。こちらからの配信を次の号より停止いたします。お知ら  せいただけませんと、「まぐまぐ」とリコーダーJPから、2通のメル  マガが届いてしまいますので、ごめんどうですがどうぞよろしくお願  いいたします。