荒城の月
★「日本のシューベルト」瀧廉太郎の名作★
この曲を収録した製品
RA-003
★若くして亡くなった明治時代の作曲家・瀧廉太郎の、誰もが知っている名歌です。
★リコーダーによく合うレパートリー。リコーダーJPの「チェンバロ伴奏版」も、きっとお楽しみいただけると思います。
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★解説★
瀧廉太郎は1879年東京都に生まれ、1903年にわずか23歳で没した、日本における西洋音楽の黎明期に彗星のように現れ消えた作曲家でした。幼いときから音楽と絵の才能があり、音楽家をこころざしてドイツに留学しますが、体を壊して帰国し、間もなく亡くなりました。彼が作曲した「春のうららの隅田川」で始まる「花」は、ピアノ伴奏つきの二部合唱曲ですが、これが日本で初めてつくられた合唱曲だと言われています。西洋音楽の語法を自分のものとして、きちんと書かれている上に音楽性も豊かなすぐれた作品です。当時の日本の音楽の水準を思うとき、瀧廉太郎はまったく突出した存在だったと言えるでしょう。
「荒城の月」は、音楽教育に日本固有のすぐれた歌を取り入れようという意図のもとに東京音楽学校(現東京芸術大学)が作品募集を行って出版した『中学唱歌』に掲載された歌です。後年、山田耕筰がピアノ伴奏をつけた編曲を行い、現在はその形で親しまれています。詩は土井晩翠。
※ ちなみに、若き日の山田耕筰もまた、次の世代で突出した存在でした。日本人として初めて管弦楽曲を書いたのは山田耕筰だといわれます。
ところで、この歌は「春高楼の花の宴」という歌詞で始まりますが、「はなのえん」の「え」の音に、本当は「シャープ」(半音高める記号)がついていたのだそうです。しかし、当時の日本人にとっては馴染みにくい音であったためか、しだいにこの「シャープ」は無視されるようになり、印刷譜からもシャープが抜け落ちるようになって、ついに今の形のメロディーで知られるようになってしまったということです。
リコーダーJP版では、チェンバロで日本の楽器の雰囲気をかもし出すために、山田耕筰版によらず、新しく編曲しています。