春の歌(無言歌集より)
★のびのびと歌う春の喜び★
この曲が収録された製品
RA-005 ロマン派名曲集 (1)
★浮き立つ心を表現した親しみやすく美しいメロディーの名曲です。
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★曲目解題★
フェリックス・メンデルスゾーンは1809年に生まれ、1847年に没したドイツの作曲家です。非常に裕福なユダヤ人の家系に生まれ、幼いころから驚くべき才能を発揮した早熟の天才でした。よい先生にもめぐまれてすくすくと才能を伸ばし、ローティーンのころから交響曲やオペラをさかんに作曲して勉強を進め、15歳のときに先生から「完全に成熟した作曲家でバッハやハイドン・モーツァルトと対等」というお墨付きをもらったのは有名です。誰もが知っている「結婚行進曲」を含む、劇音楽「真夏の夜の夢」の序曲を作曲したのは17歳のときでした(曲全体の完成は5年ほど後)。
成人してからは指揮者としても活躍し、「マタイ受難曲」をはじめとするバッハの作品を復活させたのも、大切な功績だとされています。
メンデルスゾーンは、その短い生涯の間に、有名なバイオリン協奏曲のほか、ピアノ協奏曲、交響曲などの管弦楽曲をはじめ、室内楽曲・宗教曲・歌曲・ピアノ曲・オルガン曲など、ほとんどありとあらゆるジャンルにまたがる多数の作品を残しました。その中に、「無言歌」とよばれるピアノ小品がたくさんあります。これは、題名を持つ短いピアノ曲で、彼がとくに愛好したジャンルでした。
「春の歌」は、彼の数多い無言歌の中でも飛びぬけて有名な作品で、ヴァイオリンとピアノへの編曲でとくによく演奏されてきました。ところで、むかしフォークソングとしてかなりヒットした「水虫の歌」が、この曲のフレーズをそっくりそのまま取り入れているのですが、ご存知でしょうか。(あれが、知っていてなのか、うっかり似てしまったのに気づかなかったのかは私は知りません。いずれにせよ著作権はとっくに消滅していますから、その意味では問題はなかったのですけれども)
リコーダーJP版は、原曲の音をかなり忠実にたどりますが、アルトリコーダーでの演奏に適する音域にするため、元のイ長調からハ長調に移調しています。