小竹知紀 作曲 リコーダー四重奏曲
パストラル/イマーゴ
★この曲を収録したCDつき楽譜★
RL-006 リコーダー用 900円
★楽譜のみの製品★
RF-001A リコーダー用 1575円
■小竹さんについて■
小竹さんは宮城県のご出身で、学生時代からずっとオーボエ奏者としてアマチュア管弦楽団で活躍されています。そしてリコーダーも愛好しておられ、エクシレントリコーダーからグレートバスリコーダーまで揃えてお持ちです。作曲を始められたのは近年のことだということですが、とてもそうは思えないほど、この2作品は一聴して誰でもが「これはすてきだ、ぜひやってみたい」と思わずにはいられない出来映えです。
そもそも管楽器や弦楽器の奏者であって作曲もする・・・というのはバロック時代の作曲家ではむしろ通例でした。コレルリ、バルサンティ、ヴェラチーニ、シックハルト、シェドヴィーユなど、このタイプの作曲家は枚挙に暇がありません。小竹さんもこのタイプの人なのでしょう。
■パストラルとイマーゴ 親しみやすさと洗練と澄明感■
親しみやすい調性音楽ですが、技法的にはもちろん現代の作品であって、近代的な洗練された和声感を持っています。しかし不思議なことに両曲とも実に懐かしい風情があって、いろいろな民族音楽にきかれるようなあたたかな肌合いがあります。そして、響きの澄明感はリコーダーアンサンブルにとって今も最高のレパートリーを提供するルネサンス音楽を彷彿とさせます。
リコーダー四重奏曲とはいえバス(F管)でなくグレートバス(C管)を用いますので、この点で少し扱いにくさはあるかも知れませんが、バスリコーダーでも一部の音だけをオクターブ上げて演奏することによって、かなりよい効果が上がると思います。広く演奏してみていただきたい、リコーダー四重奏曲の佳品です。
リコーダーJPディレクター 石田誠司
■各曲について〜〜作曲者から〜〜■
■パストラル
「パストラル」は、「牧歌」や「田園詩」と訳されますが、ここでは特に具体的な自然や田舎を描いたというわけではありません。反対に、そういったものから離れて都会で暮らす私が、ただ独り想い感じた「心象風景」のスケッチとしての作品です。
■イマーゴ
「イマーゴ」とは、精神分析で「幼い時期に形成されたまま、成年時まで保持されている愛する人(親)の理想化した概念」を指す言葉です。初演のプログラムノートには、「記憶の断片を濾過し精製した、両親へのノスタルジックなオマージュでもあり、対象のない一つのラヴ・ソングでもある。」と記しています。
小竹知紀
※ 演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
パストラル
イマーゴ
※リコーダー演奏:小竹知紀