リコーダーJP J.S.バッハ作品


ソナタ ハ長調 BWV1033

アルトリコーダーによる演奏 ソプラノリコーダーによる演奏
 全曲ノーカットで試聴できます
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★この曲を収録したCDつき楽譜★

1017s ソプラノリコーダー用 1800円+税
1017 アルトリコーダー用 1800円+税
SR-024 アルトリコーダー用  3800円+税
SF-005 フルート用 1800円+税

SF-024 フルート用 3800円+税

RB-017s ソプラノリコーダー用  900円+税絶版
RB-017 アルトリコーダー用  900円+税 =絶版



★解題★

  フラウト・トラヴェルソ(フルート)とオブリガートチェンバロのためのソナタで、身近な人の手になるとみられる筆写で伝わっています。旧バッハ全集では番号が与えられたのに、古くから偽作説があるため「新バッハ全集」では採用されていない作品ですが、作品の美しさはそんなこととは無関係に輝いています。たしかにバッハには思索的で対位法的技術を駆使した作品の多いのは事実だとしても、ときにはこのような素直で伸びやかな和声的手法の支配的な作品を書いてみたいと思ったとしても、あるいは、作曲機会がそのようなわかりやすいスタイルの作品を求めていたのでそれに応えたものだとしても、何ら不思議はありません。そう思って思い起こせば、たとえばグノーが「アヴェ・マリア」の伴奏に使った前奏曲だって、和声進行とリズム感だけでできている音楽です。実は、バッハにだってこういう書法の作品はたくさんあるのです。
 だいいち、残っている筆写譜には作者としてJ.S.バッハの名が記されていたわけですから、よほど確実な根拠がない限り、これを偽作と断定することはできないでしょう。
 アメリカの著名な音楽学者ロバート・マーシャルは、このような観点から、この作品をバッハの真作と信じる十分な根拠があるとしており、この意見に賛同する研究者も増えてきているようです。


★解説★

 曲は4つの楽章から成っています。

 第1楽章はアンダンテ(歩くように)の16分音符で美しく歌う部分に続き、低音のドの音の長い弾き伸ばし(オルゲル・プンクト)の上でソロがプレスト(速く)ではつらつと跳び踊る音楽となって、半終止で第2楽章に続きます。アンダンテの部分は係留音が美しく響いて実にモダンな雰囲気を持っています。プレストの部分は、ほんらいはチェンバロの右手を休んで無伴奏的に扱うのかも知れませんが、それでは曲の終わりがとうてい合いませんので、RJP版では軽く右手を弾き添えました。

 第2楽章はアレグロ(快活に)で、分散和音を弾く低音(伴奏)に乗って活発に運動します。生きいきとした楽しい音楽です。

 第3楽章は一転してメランコリックなアダージョ(ゆっくりと)で、低音の歩みとフルートの対話も美しく、誰の作にせよ、やはりバロック音楽の大家の筆になることは間違いがありません。これだけの曲を書ける作曲家はそんなにごろごろいなかったはずです。バッハの作でないとする意見の多くは、おもに第1楽章や第2楽章における和声的な音楽書法がバッハらしくないという判断に基づいているのです。

 第4楽章はメヌエットで、第2メヌエットをはさんで第1メヌエットが二度演奏されます。さわやかに美しい極上の音楽で、バッハといえば何でもかでも気難しい音楽しか書かなかったと信じていなければ、大バッハならではの気品ある音楽だと感じることに、違和感はありません。第1メヌエットの低音は実施されています(つまり右手の弾き方が書かれています)ので、RJP版でもその通りに弾いています


※ 演奏例がお聴きいただけます

■アルトリコーダーによる演奏
第1楽章 C−3
第2楽章 C−2
第3楽章 B−3
第4楽章 B−3
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


■ソプラノリコーダーによる演奏(変ロ長調)
第1楽章 C−3
第2楽章 C−2
第3楽章 B−3
第4楽章 B−3
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


■フルートによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
※フルート演奏: 大塚由貴  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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