リコーダーJP J. S. バッハ作品


ソナタ ヘ短調 BWV1018


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★この曲を収録したCDつき楽譜★


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★解題★

 この曲のオリジナルはヴァイオリンとオブリガートチェンバロのためのソナタです。バッハのヴァイオリンソナタというと無伴奏のシリーズが有名ですが、ほかにオブリガートチェンバロの曲が6曲、そして何曲かの通奏低音つきのソナタもあります。ことにオブリガートチェンバロのためのソナタはフルートのためのシリーズとならぶ名曲ぞろいで、録音も数多く行なわれています。

 これらのソナタは1725年ごろにライプチヒで書かれたものだろうと言われ、カフェでおこなわれていた小さな演奏会でバッハ自身も出演して初演されたものだそうです。作品としての特徴は、何と言ってもバッハ独自の「チェンバロ右手も独奏楽器や低音と対等」という書法にあります。ときにはヴァイオリンが2声以上を奏でる上にチェンバロ右手も複数声部を弾き、5声・6声の音楽になる場面もあるという大変なものです。もっとも、この書き方は、演奏効果というか音響的な観点から言えば少し無理がある(観念的にすぎる)場面もありますが、しかしそういう問題を越えて、音楽の中身のすばらしさが嫌でも胸に迫ってくるがのが、バッハの偉大なところでしょう。


★解説★

 4つの楽章から成っています。全体にチェンバロの活躍が目立つ作品で、バッハ自身が演奏するときにはきっとチェンバロのほうを弾いたのだろうと思わされます。

 第1楽章は2分の3拍子、発想記号がありませんがラルゴないしアダージョだろうと考えられています。思索的で長大な楽章で、音楽の中心はむしろチェンバロが担い、独奏楽器が美しくオブリガートを添えることが多いのが特徴です。

 第2楽章はアレグロ・4分の4拍子で、フーガ的な手法を取り入れたスピード感あふれる楽章です。前半を繰り返したあと、後半に入ると展開的な内容が多くなります。後半も繰り返します。

 第3楽章はアダージョ、4分の4拍子。独奏楽器(もとはヴァイオリン)はほぼ完全に伴奏に回ってゆっくりと重音を刻み、チェンバロの右手と左手が対話するような音型で音楽が進みます。つまり、バロック時代の「前奏曲」などの小品によくみられる、ある決まった音型のなかで和音が進行していく音楽です。和声感と旋律性が感じられるようにと、苦心の編曲になりましたが、いかがでしょうか。

 第4楽章ヴィヴァーチェ、8分の3拍子で、全体は同時に進行する2つの主題を持つ二重フーガとして書かれているとみてよいのでしょう。半音階的な進行も多く含む、少々晦渋なところもある音楽ですが、リズミカルに力強く曲をしめくくります。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏(ト短調)
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−2)
第3楽章(A−2)
第4楽章(C−1)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


■ヴァイオリンによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
※ヴァイオリン演奏: 棚田めぐみ  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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