★ フーガの技法は、
J. S. バッハ晩年の傑作・・・という以上に、彼の最後の未完の大作です。ひとつの基本主題をもとに、いろいろな技法を駆使した多数のフーガを作って曲集にしました。
★ 「フーガの技法」には、楽器の指定がありません。弦楽四重奏で演奏したり弦楽合奏で演奏したり、またオルガンやチェンバロで弾いたり、いろんな演奏が行われている中、リコーダー重奏による演奏もよく行われます。
★ alla Decima(10度による)という副題がある二重フーガです。冒頭に示される、導音から始まる特異な主題と、23小節から第2主題として導入されるこの曲集の基本主題(付点リズムに変形され、さらに反行形になったもの)が、やがて組み合わせて演奏されるようになります。
そのさい、10度(つまり1オクターブ+3度)ずらせても合うように作られているため、主題を10度音程(3度音程)で隔てられた2声部で唱和させながら演奏することができるのです。
そこで、曲の最後のほうでは、いろいろな旋律がそのような美しいハーモニーで歌われます。
※ 演奏例がお聴きいただけます
■リコーダー四重奏(SATB)による演奏(多重) ※リコーダー演奏: 武藤哲也(Papalin)