アルトリコーダーソナタ
ト短調 作品1-4
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録したマイナスワン音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)
2278 リコーダー用 1800円+税
SR-153 リコーダー用 3800円
★解題★
ディオジェニオ・ビガリア神父の12曲から成る「ヴァイオリンまたは flauto
と通奏低音のためのソナタ集」が、「作品1」として1722年ごろアムステルダムで出版されました。タイトルにある「flauto」は、この場合は、どうやらリコーダーと横吹きフルート(フラウト・トラヴェルソ)の両方を念頭に置いた言い方だったらしく、全12曲のうち、番号で言うと第3、4、6、9、10、12番にあたる6曲のソナタが、音域や調性からみてアルトリコーダー用で、他の6曲はフラウト・トラヴェルソ用とみられています。しかし、第11番もアルトリコーダーの音域外の音がほぼ含まれておらず、アルトリコーダーでの演奏も十分可能です。
★解説★
本作(ト短調・作品1-4) は4楽章構成で、密度の高い傑作です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。おだやかに歌いだしたかと思うとすぐに付点音符による跳ねるリズムでまとめてしまう、1小節半しかない短いフレーズで始まります。この跳ねるリズムを基調に、美しいゼクエンツを駆使しながら語り進めます。何度か出てくるドッペルドミナント和音が、とくに珍しい和音でもないのにとても新鮮に響くのは、和声感覚の精妙さの故でしょう。
第2楽章はアレグロ・アッサイ(きわめて快活に)と指定され、2分の2拍子です。くっきりとしたテーマで始まり、小気味良いスピード感のある、16分音符の音階的な走句をちりばめて爽快に音楽を進めます。また、3・4楽章に共通しているのは、短いモチーフを2度ならず3度も繰り返したり、楽段をしめくくる楽句をきっちり2度繰り返したりする、念入りな語り口です。
第3楽章はシチリアーナと題され、8分の6拍子。ト短調の平行長調である変ロ長調で書かれています。あたかもゴンドラにゆったりと揺られるような心地の、おだやかな音楽です。同じモチーフの繰り返しはこの楽章にも多く用いられ、慰撫するようなやすらかさの表現に寄与しています。
第4楽章はプレスト(速く)と指定された8分の12拍子の終曲で、ジーグなのでしょう。生き生きと活発に動く音楽で、力強い推進力を感じさせます。後半に入ると、スラーのかかり方がところどころでトリッキーに変わっていて、非常に間違えやすくなっています。もしかすると製版段階で発生した誤植なのではないかとの疑いも捨て切れませんが、RJP版ではなるべく原典通りに読み取ってみました。
※ 演奏例がお聴きいただけます
※A1〜C3で示したのは「指回り難易度」です。
※リコーダー&MIDIチェンバロ演奏: 石田誠司
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