リコーダーJP ボワモルティエ作品


2本のアルトリコーダーのための組曲
ハ長調 作品11-6

動画で全曲(完全版)を試聴できます
(RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)


★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
3061 リコーダー用 1500円+税
RL-061 リコーダー用 900円+税(絶版)
ダウンロード製品 リコーダー用 1860円(税込)



★解題★

 ミュゼット、リコーダーをはじめ各種の旋律楽器で演奏できる作品として1727年にパリで発表された組曲(6曲セット)です。小味な装飾に特色のあるフランスバロックらしい作品で、やさしく演奏でき、曲想もわかりやすい、楽しい組曲になっています。2本のリコーダーによる同度カノンふうに開始される曲が多いのも特徴でしょう。


★解説★
 第6組曲はハ長調で書かれており、プレリュード、ロンド、アルマンド、ヴィラゴワジュ、ブランル、メヌエット、ブルネット、ジーグの8曲から成っています。作品11の白眉と言ってもいいでしょう。

1 プレリュード
 2分の2拍子のプレリュード。音楽的な起伏が実に自然で、気持ちよく歌える、絶妙の前奏曲です。第2リコーダーがさりげなく模倣で入ってきたり寄り添ってきたりする呼吸も心憎い。

2 ロンド
 ゲマン(陽気に)と指定されたロンドです。ロンド主題のリズミカルな調子の良さは無類で、2つの副主題もそれぞれ楽しくできています。「イネガル」に演奏すれば、またいっぷう違った陽気な味が出るでしょう。

3 アルマンド
 モデレマン(穏やかに)と指定されたアルマンド。自然で流れるような、気品のある楽曲で、2声部の絡みあいも美しく書かれています。

4 ヴォラゴワジュ
 ヴィラゴワジュは「農民、里人」のような意味で、田舎ふうの舞曲なのでしょう。第2リコーダーが同度で第1リコーダーを模倣する趣向ですが、しだいに早く入ってくるようになっていて引き締まった音楽になっています。付属CDはいわゆる「イネガル」により演奏してみました。

5 ブランル
 ブランルは16世紀に盛んだった舞曲で、大勢で輪になったりして踊るものだそうです。実に楽しい軽快な楽曲で、リズミックな面白さもある佳品です。

6 メヌエット
 典雅なメヌエットです。後半、第1リコーダーの呼びかけに第2リコーダーが答えるような音楽の作りになっていて、二人で合わせるときは、ここを調子よく進められるように、よく音楽に乗って演奏することが大切です。

7 ブルネット
 「ブルネット」は現代では茶色い髪の人を指す語ですが、ボワモルティエはときどき楽曲名として用いています。ピョコピョコ跳ねるよりも、タンドルマン(やさしく)という指定を生かして、いつくしむように演奏してみてはいかがでしょう。

8 ジーグ
 短調の中間部を持つ大規模なジーグです。ここでも2小節遅れ・1小節遅れ・1拍遅れなど、いろいろな時間差で第2リコーダーが第1リコーダーを追いかけるつくりが随所にみられ、起伏に富んでいて緊迫感にあふれた、すばらしい終曲になっています。


※ 演奏例がお聴きいただけます

プレリュード 
ロンド
アルマンド
ヴィラゴワジュ
ブランル
メヌエット
ブルネット
ジーグ
(B2)
(B3)
(B3)
(B3)
(B3)
(B3)
(B1)
(B3)
※A1〜C3で示したのは「指回り難易度」です。
※リコーダー演奏: 石田誠司/高橋たかね



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