リコーダーJP ベリンツァーニ作品


ソナタ ハ長調 作品3-3


全曲(ノーカット)が試聴できます
(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)


★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
リコーダー用: 2274 1800円+税 

リコーダー用: SR-137 3800円+税 
ダウンロード製品 1860円(税込)


★解題★

 1720年にベネチアで出版された、アルトリコーダーと通奏低音のための12曲のソナタ集に収められた作品です。モチーフの造形がくっきりとしていて印象が鮮やかで、説得力のある展開が行なわれていく、実力を感じさせる作風です。


★解説★

 4つの楽章から成っています。楽譜面は黒くてなんだか難しそうにも見えますが、見た目よりは、かなりやさしく演奏できると思います。1・3・4楽章では下降音階が重要な役割をしていて、全体の統一感を高めています。運動性が小気味良く、爽快な傑作と言って良いでしょう。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。さわやかに歌い出し、三連符も登場して、手の込んだ曲を予感させます。32分音符の下降音階を含むモチーフによる上行のゼクエンツが印象的です。

 第2楽章は発想表示がありませんが、Allegro (快活に)ぐらいの感じでしょう。きっぱりとした感じの明快なモチーフで始まりますが、これを導入として、あとはひたすら16分音符で、「ひとり二声」、さらには「ひとり掛け合い」のような箇所も多くふくむ音楽になります。すみずみまで緩みのない逸品。

 第3楽章はラルゴ(広々と)と指定され、4分の4拍子の短い間奏曲ふうの音楽です。第1楽章で用いられた32分音符下降音階のモチーフがここでも大活躍します。イ短調で始まり、半終止で第4楽章を呼びます。

 第4楽章は、またも発想表示がありませんが、Vivace(生き生きと)やAllegroのような感じでしょう。16分音符が多く用いられ、しかも分散和音なども多いので、そう速くは演奏できませんし、ジーグのつもりではなさそう。リズミカルな音型が多く、二声なのかな?ともみえる箇所はあちこちにありますが、最初のあたりにある、「明らかにひとり二声」の箇所がすんで以後は、おおむね1本の線、ないしは、「和音の分散」としてとらえるような感覚で演奏しても良さそうに思います。たいへん楽しい終曲です。


※ 演奏例がお聴きいただけます
第1楽章(C1)
第2楽章(C1)
第3楽章(C1)
第4楽章(C1)

※カッコ内は指回り難度です。
※通奏低音実施: 高橋たかね  リコーダー演奏: 石田誠司 電子チェンバロ演奏: 石田誠司



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