ソナタ 変ロ長調 作品3-9
全曲(ノーカット)が試聴できます
(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)
2360 リコーダー用 1800円+税
★解題★
1720年にベネチアで出版された、アルトリコーダーと通奏低音のための12曲のソナタ集に収められた作品です。モチーフの造形がくっきりとしていて印象が鮮やかで、説得力のある展開が行なわれていく、実力を感じさせる作風です。
★解説★
緩急緩急の4楽章構成です。いくらか使用音域が低い方に偏る傾向がありますが、内容的には一級の名品だと思います。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子。付点音符による跳ねるリズムを用いるモチーフと速い下降音階を中心とするモチーフを組み合わせて語り進め、密度高い音楽をくりひろげるすばらしい楽章です。なお、原典では(おそらく製版時のミスのために)前半と後半との接続部分の拍数がおかしくなっていて、そのままでは演奏ができませんので、作曲者の意図を推測して校訂しました。
第2楽章は8分の3拍子で、発想表示がありませんが、明らかに快速楽章で、16分音符の動きを中心とする活発な音楽です。同音を1音おきに連打する「ひとり2声部」の手法をやや多用しているのが特徴ですが、終わり近くで最低音「低いファ」を連打音に選んでいるのはかなり特異なことです。作曲者が想定していた楽器は、低音域の音に非常に力のあるものだったのかも知れません。
第3楽章は再びアダージョで、4分の4拍子、主調・変ロ長調に対する平行短調・ト短調で書かれています。付点音符の跳ねるリズムを基調とした楽章で、半音階的に下っていく低音に乗って奏されるゼクエンツで始まり、3回目の途中で抜け出すと、そのまま収束に向かい、間もなく半終止で終楽章を呼びながら終わります。
第4楽章は発想表示のない4分の2拍子の楽章で、明らかに快速に演奏される楽章で、軽快にキビキビと進む爽快な終曲です。開始後間もなくあらわれる3小節にまたがる音階的な句の運指が突出して難しいので、ここをどれぐらいの速さで演奏できるかが、テンポの選択を決することになるでしょう。
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※ 演奏例がお聴きいただけます
第1楽章(C1)
第2楽章(C2)
第3楽章(B2)
第4楽章(C1)
※カッコ内は指回り難度です。
※通奏低音実施: 上羽剛史 リコーダー演奏: 石田誠司 電子チェンバロ演奏:
石田誠司
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