ソナタ ヘ短調 作品3-11
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(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)
★解題★
1720年にベネチアで出版された、アルトリコーダーと通奏低音のための12曲のソナタ集に収められた作品です。モチーフの造形がくっきりとしていて印象が鮮やかで、説得力のある展開が行なわれていく、実力を感じさせる作風です。
★解説★
4つの楽章から成っています。第1・第3楽章には遅いテンポが指定されており、2楽章・4楽章は(発想表示がありませんが)おそらく快速楽章なので、緩急緩急の構成です。第3楽章はごく短い間奏曲ですが、その他の楽章は、いずれもかなりたっぷりした内容を持っています。圧巻の傑作です。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)と指定され、前半・後半ともに繰り返す二分形式をとっています。付点の跳ねるリズムを基調としつつ、かなり多彩なリズム型・音型を用いて雄弁に語って行きます。どっしりとした存在感のある堂々たる開始楽章になりました。
第2楽章は8分の3拍子で、十六符音符2つと八分音符2つから成るリズムにかなりの執着をみせます。二分形式の後半では、重層的にクライマックスを形成していきます。前半・後半とも、頂点に達したときに「同じことを三回言う」(3小節同じ内容を繰り返す)という念入りな語り口が耳に残ります。
第3楽章は再びアダージョ。長三和音の響きで始まりますが、変ロ短調の属和音として聞こえるようです。しかしすぐに変イ長調を経てヘ短調に落ち着いていき、最後は半終止で第4楽章を呼びながら終わります。終止のさいにしきりと「ドッペルドミナント」を挟んでいるのが印象的です。
第4楽章は発想表示がなく、4分の2拍子です。最初に示したモチーフの音型を(しだいに上昇させながら)まるまる3回半繰り返す念入りさ(悪く言えば「しつこさ」)は、この曲の全体を通じての特徴です。それに続く、ジグザグ音型を用いた力強いゼクエンツ(まるまる4回)は、楽章の最後にも登場して、この終曲をしっかりまとめる役割を果たします。ただ、演奏する上ではこのゼクエンツに含まれるたくさんのクロスフィンガリングがやっかいで、かなりの練習を要するかも知れません。
※ 演奏例がお聴きいただけます
第1楽章(C1)
第2楽章(C2)
第3楽章(B2)
第4楽章(C2)
※カッコ内は指回り難度です。
※通奏低音実施: 上羽剛史 リコーダー演奏: 石田誠司 電子チェンバロ演奏:
石田誠司
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