リコーダーJP G. ビンガム


イギリスのエア
第1集 31〜34番


(試聴用動画準備中)


全曲試聴動画
RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)



★解題★

 1702年に、ジョージ・ビンガム(George Bingham) 編著になる「イギリスのエア50選」(50 Airs Anglois)というアルトリコーダーのための曲集がアムステルダムで発刊されました。これを第1巻として、3冊の続巻が数年の間に次々に出版され、総計170曲のエアと4曲のソナタを含む大部の曲集シリーズとなりました。

 内容から見ると、明らかに教則的な目的を念頭に置いた企画で、無伴奏独奏曲、無伴奏二重奏、そして通奏低音伴奏独奏曲を学びつつ、いろいろなテンポや拍子、さまざまな舞曲形式などにも親しめるように構成されています。指導者との二重奏で学ぶことも想定されていたのでしょう。

 そして、ソナタはもちろん一連のいくつかの楽章によって構成されていますが、そのほかの多数のエアも、同じ調の曲を数曲続きにまとめてあるので、これを組曲として演奏することができるようになっています。そこで、RJPでも、無伴奏二重奏や通奏低音伴奏のエアについては、これらを便宜的に組曲のようなものと扱って制作出版していくことにしました。

 順に学んでいけば、まだアルトリコーダーを手にして日の浅い人たちにとって、格好の練習曲集となるでしょう。


★解説★

 ビンガムの「50のイギリスのエア」は、1〜20が無伴奏独奏曲、21〜30が無伴奏二重奏曲で、31番以後が通奏低音伴奏つき独奏曲になっています。ここに収録したのは、通奏低音伴奏曲の冒頭を飾る4曲のト短調作品です。やさしく演奏できますが、小粒ながらいちおうの体裁の整ったソナタのようになっています。

31. アルマンド
 4分の4拍子で、跳ねるリズムを基調としており、八分音符の弱起小節で始まります。これを十六分音符ぐらいで引っ掛けたいような気もします。前後半とも繰り返す指定で、それぞれにしっかりとクライマックスを築くようになっており、ずっしりした存在感のある曲になっています。

32. ロンド
 4分の3拍子で、最初にロンド主題を2度繰り返したあと、第1副主題、ロンド主題、第2副主題、ロンド主題と続いていき、これもまた繰り返されますので、かなり大きな規模のロンドになっています。ロンド主題は厳しい表情で短調に終始しますが、2つの副主題は長調の部分も含み、やや柔和な表情をみせてコントラストを作っています。

33. エア/ラルゴ
 ラルゴ(広々と)と指定された4分の3拍子の小品です。前半・後半とも8小節から成り、それぞれ繰り返されます。小粒ながら姿よくまとめられた佳品。

34. エア/アレグロ
 4分の3拍子で、アレグロ(快活に)と指定されています。33番のエアと同様に、前後半とも8小節ずつで、それぞれ繰り返されます。短調に終始する前半に対し、後半では長調に明るみますが、長い展開も主題の再現もないまま、短調にもどってサッと終わってしまう構成は、33番のエアと共通した特徴です。



※演奏例がお聴きいただけます

31 アルマンド(B−2)
32 ロンド(B−2)
33 エア/ラルゴ(B−1)
34 エア/アレグロ(B−2)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司  電子チェンバロ演奏:石田誠司


G. ビンガムのページにもどる


HOME

Copyright 2025 RecorderJP Inc. All rights reserved



.