リコーダーJP マルチェロ作品


ソナタ 変ロ長調 作品2−7


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★解題★

 作品2のアルトリコーダーソナタ集(12曲)は作曲者マルチェロが26歳だった1712年にヴェネチアで出版されました。生前から何度も版を重ね、のちにはフラウト・トラヴェルソ用に移調されてロンドンでも出版され、人気を博したといいます。青年作曲家マルチェロの自由な創意が息づいた貴重な作品集だと言えるでしょう。


★解説★

 曲は5楽章から成り、緩・急・緩・急のあとメヌエット。だんだん短く軽い楽章になっていくかのような、ちょっと独特な構成です。

 第1楽章はラルゴ(はば広く)と指定された、8分の12拍子でゆったりと歌う音楽です。「同じ音の連打」のモチーフに特徴がありますが、この楽章内ではそれほど目だった働きはしません。むしろ、ところどころで指定されている「スタカート」にしゃれた味わいがあって耳に残ります。

 第2楽章はアレグロ(快活に)で、第1楽章で顔を見せていた「同音連打」のモチーフが大活躍します。また、「ソ・ソ ソミファ」という印象的な音の動き方も第1楽章で用いられていたモチーフで、曲の統一感を高めています。おどるような軽快なリズム感もまさにマルチェロの独壇場ですが、単調に流れることなく、ときおりやわらかな表情を折り込むあたりの呼吸も絶妙です。

 第3楽章はふたたびラルゴ。ト短調となり、透明感のある悲哀を訴えます。やさしく演奏できて歌いやすい。

 第4楽章はアレグロで「ガボット」と記されていますが、ドイツの作曲家たちのガボットとは異なり、弱起(小節の途中の拍から音楽が始まる)になっていませんし、リズムの感じもずいぶん違います。同じリズムのモチーフがえんえん繰り返され、一聴したところ単調で平凡のようですが、音の動きかたには工夫が凝らされていて、面白く演奏できます。

 これで終わっていれば普通なのですが、このまま終わるにはいかにも第4楽章があっさりしすぎている感じがあるので、第5楽章メヌエットが書かれたのではないでしょうか。平明なモチーフを扱った澄明な感じはマルチェロらしいと言えますが、しかしこれまた、たいへん軽い曲です。こうしてみると、最初にも申しましたとおり、このソナタは1、2楽章にずっしりとした存在感があり、後になるほど軽くなっていくのがわかります。そのような構成を狙ったのでしょう。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−1)
第2楽章(B−3)
第3楽章(B−1)
第4楽章(B−3)
第5楽章(B−2)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏: 石田誠司
  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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