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W.A.モーツァルト

〜〜奇跡的な天才〜〜



★数々の伝説に包まれた生涯★

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91)ほど伝説の多い作曲家もいないでしょう。また、賛辞の多さ、言及されることの多さでもたぶん群を抜いていると思います。とにかく、オーストリアのザルツブルグで生まれ、音楽家だった父の教えで5歳で演奏や作曲を始めるや、あっと言う間に周囲の音楽好きな大人たちをしのぐほど上手になり、少年時代はイギリス・フランス・イタリアなどを訪ねては天才少年の名をほしいままにしました。しかし、官職にありつくこと(まぁ若かったですし)や、本場イタリアでオペラ作家と認められたりすること(そんなことができた人は当時、誰もいませんでした)はかなわず、かと言って故郷ザルツブルグの専横な支配者に仕える田舎音楽家にとどまることも彼のプライドが許しませんでした。

 こうしてモーツァルトは、25歳のとき父の反対をよそにオーストリアの首都ウィーンに出てきて、主として自分で主催する演奏会によって生計を立てる自由な音楽家として活動を開始し、おびただしい名曲の数々を書き残しました。しかし最初のしばらくを除き経済的には必ずしもめぐまれたとは言えず、最後は貧窮のうちに35歳という短い生涯を閉じました。

 これほどの天才が、なぜもっと成功することができなかったのか。映画「アマデウス」にも描かれたようにサリエリはじめイタリア人音楽家たちの厚い壁が立ちはだかったなどいろいろな理由があったでしょう。しかし、そもそもプロモーターも持たずマネージャーも居らず、支援してくれる会社(楽譜出版社など)も未発達、居るのは愛らしくはあっても事務処理や会計の能力はどう見てもサッパリな妻のみ。音楽の才能にあれだけ恵まれた天才でしたが、こういう実際的な経営的能力となるとアンバランスに欠けていたとしても不思議はありません。そして、ひとりの企業家が成功するために「いい商品を作る(曲を書く)能力がある」だけでは十分でないのは言うまでもないことです。しかも「お金を払って音楽をきく」という文化はまだまだ発展途上の時代であってみれば、モーツァルトが商業的に成功できなかったとしても、それは彼の音楽的才能が及ばなかったのではないでしょう。また、晩年の彼が「宮廷作曲家」として舞曲などの実用音楽を書く報酬として得ていた俸給だって、それなりの額でした。つまりは、家には使用人を置き、妻を温泉宿で何不自由なく長期療養させ、かつ社交界その他で貴族たちはじめ上流の人々に交じって派手に暮らすなど、乱脈にお金を浪費するというには、少しばかりお金が足りなかったというだけのことではなかったか、とも思われます。


★吸収消化の天才★

 モーツァルトはあらゆる意味で天才的な音楽家でしたが、その中でも際立っているのは、音楽的な意味で消化吸収の天才だったという面ではないでしょうか。少年時代にイギリスでヨハン・クリスティアン・バッハ(大バッハの末子)に会ってその音楽に触れると、たちまちクリスティアンバッハの音楽から軽妙な運動性・端正な形式感・うっとりするほどの歌謡性などの美点を学びとり、以後、イタリアに行けばイタリアオペラの手法とスタイルや宗教曲における対位法の技術を、りっぱな管弦楽団が活躍していたマンハイムに行けば管弦楽の技法を、パリに行けばたちまちフランス音楽のギャラントなスタイルをやすやすと学びとりました。またウィーンに出て間もなく大バッハの音楽に触れたときも、しばらくの研究でたちまちその対位法的な技術を高い次元で自分のものにしてしまい、以後は、自身のホモフォニーな音楽スタイルの中に自由自在にポリフォニックな音楽(フーガなど)の手法をちりばめる作風に深化していきます。晩年のモーツァルトの音楽にしばしば登場するフーガ的な手法は彼の音楽をたいへん深みのあるものにしました。

 このようにモーツァルトはさまざまなスタイルの音楽の特質を自分の音楽の中に取り入れていきました。しかし、それでいて、少年時代から晩年に至るまで彼の音楽には根本のところで彼のスタイルが驚くほど一貫しているのもまた事実です。つまりは、自分本来の音楽性がそれだけしっかりしているので、他の音楽の何が自分にとって新しいものであるかを瞬時に悟り、それを学ぶこともできたということなのでしょう。


RJPから出版のあるモーツァルト作品

歌劇「フィガロの結婚」K.V.492より「恋とはどんなものかしら」(「アレンジメンツ」クラシック名曲集1
クラリネット協奏曲 K.V.622より 第2楽章(「アレンジメンツ」クラシック名曲集2
フルート四重奏曲 KV285


以下はフルート・ヴァイオリン用製品
フルートソナタ 変ロ長調 K.V.10(初期フルートソナタ集 第1巻)
フルートソナタ ト長調 K.V.11(初期フルートソナタ集 第1巻)
フルートソナタ イ長調 K.V.12(初期フルートソナタ集 第2巻)
フルートソナタ へ長調 K.V.13(初期フルートソナタ集 第2巻)
フルートソナタ ハ長調 K.V.14(初期フルートソナタ集 第3巻)
フルートソナタ 変ロ長調 K.V.15(初期フルートソナタ集 第3巻)
ヴァイオリンソナタ ヘ長調 K.V.376
ソナタ ヘ長調 K.V.376(フルート版)
ヴァイオリンソナタ ホ短調 KV300c(304)
ソナタ ホ短調 KV300c(304)(フルート版)
ヴァイオリンソナタ ト長調 KV373a(379)
ソナタ ト長調 KV373a(379)(フルート版)
ヴァイオリンソナタ ト長調 KV301(293a)
ソナタ ト長調 KV301(293a)(フルート版)
ヴァイオリンソナタ 変ホ長調 KV302
 



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