リコーダーJP ペジブル作品
    


ソナタ 第1番 ニ長調



Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
アルトリコーダー用: 2207 1800円+税
アルトリコーダー用 SR-111 3800円+税
ダウンロード製品  1860円(税込)

アルトリコーダー用: RG-207 1200円+税(絶版)


★解題★

 フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。

 なお原典がどうなっているかをメモした校訂用のメモがありますので、ご覧になりたいかたはどうぞ。(ただ、書き誤り等はあるかも知れません m(__)m)


★解説★

 4つの楽章から成っており、第2楽章・第3楽章は続けて演奏するようになっています。はなやかな技巧と変幻自在の転調。

 第1楽章は発想記号が伝わっていませんが、ゆったりとした感じの4分の4拍子です。長調ではイ長調に行く瞬間があるくらいなのですが、ロ短調・ホ短調への揺れ動きかたが独特です。しかし清らかさと気持ちの揺れ動きの表現は絶妙と言っていいでしょう。

 第2楽章はプレスト(速く)と指定され、2分の2拍子。速いテンポの曲でありながら、3小節目にはすでにイ長調、4小節から5小節にかけてはホ長調にまで転じ、さらに15小節あたりでは一瞬ですがロ長調(#5つの調)にまで行ってしまうあたりにペジブルの面目は躍如としています。そのようにするすると調を移り行きながら快速感あふれる音楽を進めます。これだけ深く「シャープ系」の調に入り込むのですから指づかいの難しさも格別で、難曲と言っていいでしょう。

 第3楽章はアダージョ(ゆっくりと)と指定され、引き続き2分の2拍子です。第2楽章の最後の終止音(ニ長調)をリコーダーが奏でている間に通奏低音がロ短調を準備してこの楽章が始まります。哀切な歌、それも、感情の起伏があってドラマチックです。最後は明るんでニ長調に終止したかと思うと、突然、嬰ヘ短調に転じてしめくくります。

 第4楽章は再びプレストで、4分の3拍子です。この楽章では、相変わらずの意外な転調の多さに加え、まるで現代曲のような変則的なリズムとフレージングが頻出して、気まぐれとも言えるようなめまぐるしい音楽をくりひろげます。しかし、最後にはお話をまとめ始め、不思議な満足感のある収束となります


★試聴ファイル★

リコーダー: 中村栄宏(アウロス509使用)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司  

※カッコ内の表示は「指回り難度」です。

第1楽章(B−2)
第2楽章(C−3)
第3楽章(B−2)
第4楽章(C−2)


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