ソナタ 第3番 変ロ長調
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
アルトリコーダー用: 2221 1800円+税
アルトリコーダー用: SR-111 3800円+税
ダウンロード製品 620円(税込)
★解題★
フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。
なお原典がどうなっているかをメモした校訂用のメモがありますので、ご覧になりたいかたはどうぞ。(ただ、書き誤り等はあるかも知れません m(__)m)
★解説★
5つの楽章から成っており、比較的小粒ながら充実した内容の佳品です。
第1楽章はラルゴ(広々と ただし1写本ではグラーヴェ=重々しく)、4分の4拍子です。伸びやかな感じのテーマを扱います。頻々と転調するペジブルの個性はここでも現れていますが、転調自体は無理のないものが多く、その意味では自然な仕上がりで、よくまとまった名品です。
第2楽章はグラーヴェ、4分の4拍子です。最初に主和音に乗せて主音を吹き鳴らすことになっているのが、ちょっと変わっています。もしかすると何か自由に演奏するところだったのかも知れません。続いて、付点の跳ねるリズムを用いた平明な主題を示します。効果的に短調の翳りを見せながら進む、魅力的な楽章です。
第3楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと ただし1写本ではプレスト=速く)、2分の2拍子で、やや自由なフーガになっています。テーマはリズミカルな精彩に富むもので、まずリコーダーに変ロ長調で現れるとすぐに低音がヘ長調で応じることにより音楽が始まります。以後、典型的な形での提示と応答のセットはみられませんが、リコーダーと低音が、何度もいろいろな調で主題を奏しながら進みます。
第4楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子の、短い間奏曲ふうの音楽。ちょっとレチタティーボのような雰囲気も持っています。変ロ長調で始まりますが、ヘ短調、変ロ長調、ハ短調を経て、最後はヘ長調に終止するという、ペジブルらしい大胆な構成です。
第5楽章はアレグロ(快活に)、2分の3拍子です。堂々としたテーマを扱ってはなやかに技巧を披露しながら音楽を進めます。最後は急ブレーキをかけて、アダージョで落ち着いて全曲をしめくくるのも、気品があってとても良い感じ。
★試聴ファイル★
リコーダー: 石田誠司 (全音G-1A使用)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B−2)
第2楽章(B−2)
第3楽章(C−2)
第4楽章(B−2)
第5楽章(C−2)
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