ソナタ 第10番 ヘ長調
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)
2359 リコーダー用 1800円+税
★解題★
フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。
本作は4つの楽章から成っており、はなやかな技巧を披露しながら気品のある引き締まった音楽をくりひろげる逸品です。
第1楽章は、冒頭には発想表示がなく、4分の4拍子です。いくぶんユーモラスな感じもある穏やかなテーマ、そして合いの手として現れる音階的なモチーフが語り交わすような形で音楽が進みます。やがて32分音符が連続する華やかなひとくさりのあと、2小節間の「アダージョ(ゆっくりと)」の部分があり、そしてテーマを用いたしめくくりの音楽がありますが、ここは「ヴィヴァーチェ(生き生きと)」と指定されています。演奏の方針としては、このアダージョの部分で自由なアドリブをリコーダーが演奏することもできますし、最後の「ヴィヴァーチェ」を、意表をつくような速いテンポで演奏するのも面白いかも知れません。
第2楽章は2分の2拍子で、発想表示がありませんが、明らかに快速楽章で、16分音符を中心とする躍動感あふれる生き生きとした音楽です。拍子が2分の2であることも考慮すると、非常に速い、疾走する音楽として演奏されることを意図しているのかも知れませんが、旋律の歌謡性を楽しめる、いくらか落ち着いたテンポで演奏するのも悪くないと思います。
第3楽章にも発想表示がなく、今度は4分の3拍子です。リズム型はサラバンドの特徴を持っていますが、曲の感じはむしろヌエットのようでもあります。サラバンドとして扱うなら、かなりゆったりとしたテンポを選ぶ方がいいのかも知れません。
第4楽章はプレスト(速く)と指定された4分の6拍子の快速感あふれるジーグです。とりあえず、4連続の八分音符をすばしこい感じに演奏できるテンポを選ぶことになりますが、やがて1度8連続が出てきますし、最後には、2小節(つまり24連続)の8分音符を、しかも頭欠けリズムで食いついて演奏しなければなりません。ここがたいへん難しいのですが、スラーで演奏することにしてしまえばかなり楽になると思います。
★試聴ファイル★
リコーダー: 石田誠司 (全音 G-1A 使用)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−2)
第3楽章(B−3)
第4楽章(C−2)
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