ソナタ 第11番 ニ短調
Youtube のRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」より
全曲の演奏(ノーカット)の試聴ができます。
★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 620円(税込)
★解題★
フランス国立図書館(BnF)に、「ペジブル氏のソロ」と題された写本があり、そこにJ.ペジブルの通奏低音つきソナタ16曲(ほかに無伴奏二重奏曲など)が収められています。他にもペジブルのソナタの手書き譜はいくつかみつかっていますが、今のところBnFの写本の所収曲と重複する曲ばかりのようです。そこで、BnF写本で付されている通し番号を「ペジブルのソナタの番号」として用いることにしました。
本作はBnF写本のみに伝わっているソナタのひとつです。緩急緩急の4楽章から成り、どの楽章もすっきりとしたわかりやすい内容の佳品です。
第1楽章は発想表示がなく、2分の2拍子です。四分音符を中心とする、リズム的には落ち着いた歩みで始まりますが、順次進行が少ない旋律線は、いくらか独特な感じがします。後半は一転して付点の跳ねるリズムを含む音型で、上行のゼクエンツふうに次第にせり上がるエピソードでクライマックスをつくります。収束に半音階的にせりあがる音型が用いられています。
第2楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の4拍子です。キビキビしたテーマでフーガふうに始まり、間もなく16分音符が連続するトッカータふうの部分が挟まれ、またフーガふうの提示・応答になり・・・という形で音楽が進んでいきます。最後までテーマを大事に扱ってまとめられており、統一感にすぐれた名楽章になりました。ただ、最後まで進んでから「振り出しに戻る」になって全体を2度繰り返す指定は、いくらか独特です(第4楽章も同様なのですが)。
第3楽章はグラーヴェ(重々しく)、4分の3拍子で、イ短調を基調としています。第1楽章にあった、ひとつの音型を繰り返しながらせり上がっていく手法を裏返したような、下降していく音楽で始まり、感情の微妙なうつろいを描き出しつつ、美しく歌っていきます。この楽章だけは前半と後半にわかれ、それぞれを繰り返すという、よくある形(二部形式)になっています。
第4楽章はプレスト(速く)と指定された、4分の3拍子の速い楽章です。第2楽章のテーマとそっくりの音進行を持つニ短調の短いテーマを奏したあと、イ短調で「応答」するという「ひとりでフーガふう」で始まり、途中に16分音符が多数連続する「腕の見せ所」もたっぷりある爽快な終曲になっています。ただ、ブレスする余裕が少ないので、コントロールはかなり難しい方だと思います。
★試聴ファイル★
リコーダー: 石田誠司 (全音 G-1A使用)
通奏低音(電子楽器): 石田誠司
※カッコ内の表示は「指回り難度」です。
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−2)
第3楽章(B−1)
第4楽章(C−2)
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