ペジブル デュオソナタ ハ短調 作品1-3


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★この曲を収録したマイナスワン音源つき楽譜★
3095 リコーダー用 1800円+税
SR-134 アルトリコーダー用 3800円+税
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■解題(ペジブルのデュオソナタ)■

 17世紀末から18世紀初めにかけて、イギリスでは紳士たちの間でアルトリコーダーが大流行しました。ジャック・ペジブル(ジェームズ・ペジブル)は、その立役者だったと目される人物で、写本で残っている独奏ソナタは、はなやかな技巧を盛り込み複雑な転調を駆使する曲が目立ちます。

 対して、1702年にWalshが出版した「作品1」の二重奏ソナタ集は、アマチュア愛好家が楽しめるように比較的易しく書かれた曲が多くなっています。


■解説(ハ短調・作品1-3)■

 5つの楽章から成り、速い楽章と遅い楽章が交互に置かれています。

 第1楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の4拍子です。まさに生気に満ちたテーマで始まり、2本のリコーダーが互いを模倣したり声をそろえてハモったり対位法的に絡んだりと変化に富む内容で、転調のめまぐるしさもペジブルならではの味わいです。最後はアダージョ(ゆっくりと)になって半終止で第2楽章に続くようになっています。

 第2楽章はグラーヴェ(重々しく)、4分の3拍子です。第1楽章のハ短調属和音を受け継いで、属和音から始まった・・・かと思うと実はすぐに変ロ長調に転じている(らしい)のは、珍しい趣向で、その後も玄妙な転調を行いながら音楽を進めます。後半はサラバンド的なリズムが多くなります。

 第3楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子です。付点音符による跳ねるリズムの主題を第1リコーダーが奏して始まりますが、模倣による合いの手を入れる第2リコーダーは均分リズムで書かれています。そして、ここだけではなく、続く音楽全体にわたって付点リズムと均分リズムが混用されていて、果たしてこの通りに演奏すべきなのか、それとも適当に付点リズムに変えてもいい箇所があるのかと迷わされます。CDの演奏はすべて楽譜通りになっています。

 第4楽章はラルゴ(広々と)、4分の4拍子。第1リコーダーと第2リコーダーが子をそろえて響きをつくっていく場目の多い音楽で、フレージングのシンプルさも併せ、やや素朴なドイツふうのコラールを思わせます。前半がハ短調・変ホ長調・(ハ短調・)変ホ長調、後半が変ホ長調・ハ短調・ト短調・へ短調・ハ短調、と進んでいき、転調による色合いの変化がたくみです。


 第5楽章はプレスト(速く)、4分の6拍子です。どっしりと太い描線で描かれたような、わかりやすい音楽で、力強く全曲をしめくくっています。ただ、テンポをうんと速くとれば、疾走感の強い終曲として演奏することもできそうです。


※ 演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章 (C−1)
第2楽章 (B−1)
第3楽章 (C−1)
第4楽章 (B−1)
第5楽章 (B−3)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏: 武藤哲也



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