ソナタ 11番 ヘ長調(「12のソナタ」より)
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★この曲を収録したCDつき楽譜★
2115 リコーダー用 2400円+税
SR-057 リコーダー用 3800円+税
ダウンロード製品 640円+税
RG-115 リコーダー用 900円+税(絶版)
★解題★
G.サンマルティーニの「2つのリコーダーまたはヴァイオリンのための12のソナタ」は、1727年にロンドンで出版された曲集です。題名によればヴァイオリンで演奏してもよいことになっていますが、これは言わば「ヴァイオリンを弾いている人にも楽譜を買ってもらえるように」という、営業上の理由でこういうことになったのでしょう。サンマルティーニ自身、管楽器(オーボエ)の名人だったわけですし、当時のオーボエ奏者ならもちろんリコーダーも演奏したでしょうから、どちらかといえば「リコーダーの曲」として構想されたものと思われます。
曲集全体を通じて技術的に極端に難しいところがほとんどなく、アマチュア愛好家に広く楽しんでもらおうと考えて書かれた曲であることがよくわかります。
★解説★
曲は4楽章から成っています。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子です。この曲集にみられるサンマルティーニの音楽のつくり方は、多くのバロック作曲家たちのトリオソナタ(2つのパートが比較的長い間主役を演じあうことが多い)とは少しちがった特徴があります。それは、2本のリコーダーがひとつのフレーズの中でもいつの間にか何度も主従を入れ替わる箇所があるかと思うと、まったく対等の資格でひとつの音楽を織りなしていく箇所がある……といった風のもので、この楽章もまさにそういうスタイルで書かれた絶妙に美しい音楽です。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の2拍子です。第二リコーダーにも主役をとれる場所はありますが、全体としては第一リコーダーに難しいところの大半を委ねたつくりになっています。快活によく歌いながら駆け抜ける、サンマルティーニらしい快速楽章です。
第3楽章はラルゴ(ひろびろと)、4分の4拍子。多分ヘ短調から始まったとみて良いのでしょうが、だとすれば最初の和音は属和音に対する副五度和音(いわゆるドッペルドミナント)としてはたらく減七和音ということになるでしょうか。調性感が不安定で薄モヤの中をゆったりと進むような独特な音楽です。
第4楽章は再びアレグロで、8分の6拍子ですが、ジークとは少し違う、もっとなごやかな、少し余裕のあるテンポの曲なのかなと思います。前半の最後と後半の最後にある第1リコーダーのカデンツァふうの走句はかなり速い動きを含んでいますので、これをある程度くっきりと演奏できるようにするという意味からも、全体のテンポを少しゆっくりめにとる方がよいのではないでしょうか。
もっとも、生楽器だけのアンサンブルであれば、ここの部分は第一リコーダー奏者が自由に演奏し、他のパートが合わせてあげることもできるでしょう。しかしCDの伴奏やマイナスワンではそうも行きませんので、多少時間的余裕を見ながらもほぼテンポ通りに演奏するようになっています。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−2)
第2楽章(I=C−1 II=B−3)
第3楽章(I=B−2 II=B−1)
第4楽章(I=C−1 II=B−3)
※カッコ内の表記は指回り難度です
※リコーダー演奏:Duo Affetuoso 第1リコーダー:長谷川圭子さん・第2リコーダー:長谷川智彦さん チェンバロ(電子楽器)演奏:
石田誠司
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