リコーダーJP G. サンマルティーニ


ソナタ ヘ長調
シブレー写本 第18番


全曲試聴動画
RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」

★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1860円(税込)
2342 リコーダー用 1800円+税



★解題★

 サンマルティーニの通奏低音つきソロソナタばかり27曲を集めた、「シブレー写本(Sibley Manuscript)」と呼ばれる筆写譜があります(ロチェスター大学所蔵)。このうち15曲がリコーダー用のソナタで、最大の数を占めています。(ほかはオーボエ用、ヴァイオリン用、横吹きフルート用など。)

 サンマルティーニのリコーダー用ソナタの出版作品はあまりたくさん残っていませんので、これが貴重なソースになっています。


★解説★

 3楽章から成り、気宇の壮大な、すばらしい傑作です。

 第1楽章はアレグロ(快活に)、4分の2拍子です。かろやかな第1主題で始まり、一度アダージョに落としてしなかやに半終始。続いてテーマを確保した後、天から舞い降りるような16分音符の経過句を挟んで、シンコペーションのリズムに続いて分散和音をはなやかにくりひろげる第2テーマ(ハ長調)を示し、前半をしめくくります。後半は再び主調で主題を奏することで始まり、前半で提示した素材を用いながら自由な展開が行われ、第1主題の再現は省いて、第2主題のはなやかな分散和音の音型で収束に向かいます。

 第2楽章はアンダンテ(歩くように)、ニ短調・4分の4拍子です。付点の跳ねるリズムを土台に、32分音符まで用いる細かに刺繍された主題を扱い、次々に調を移りながらしだいに競り上がるように緊張を高めていきます。ようやくイ短調に一度終止すると、以後は全体として下降し沈静化する傾向の音楽になり、ここで初めて三連符も登場して効果を上げます。やがて最後は「ナポリ」の和音を効果的にしばらく響かせて、しめやかに終わる‥‥のかと思いきや、突如、激しく半音階的に競りあがっていく劇的な終結部が強い印象を残して終わります。

 第3楽章は再びアレグロで、4分の3拍子の堂々たる終曲です。気品のあるかろやかな主題で始まり、八分音符で「ひとり2声」の部分を含む音型、三連符を用いて競りあがっていく音型などの素材を示しながら語り進め、ハ長調で前半をしめくくります。後半は、前半に示した素材を用いて、変化に富み緊張感あふれる展開が行われ、圧巻の壮大なクライマックスを築きます。その後はいくらか回想もまじえながら収束へ進み、最後は主和音の分散和音を念入りに重ねてまとめています。


※演奏例がお聴きいただけます

第1楽章(C−2)
第2楽章(C−1)
第3楽章(C−2)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司  チェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源)


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