リコーダーJP ヴェラチーニ作品


ソナタ 第2番 ト長調


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★この曲を収録したCDつき楽譜★
2066 リコーダー用 1800円+税



★解題★

 フランチェスコ・マリア・ヴェラチーニ(1690〜1768)の「リコーダーまたはヴァイオリンのための12のソナタ」は、1716年に、ザクセン選帝侯王太子フリードリヒ・アウグストスに献呈されました。

 ごく若いころにヴェネチアでフリードリヒ・アウグストスにまみえたことのあったヴェラチーニは、このソナタを献呈して自分の力をアピールし、ザクセンの宮廷に抱えてもらうことに成功しました。いわば作曲家・ヴェラチーニがこのあと国際的にヨーロッパをまたにかけて大活躍する端緒を切りひらいた出世作であるといえます。

 12曲のソナタにはそれぞれ「1番ソナタ」「2番ソナタ」・・・と名前がつけられています。音楽を愛し多数の歌手や管弦楽の奏者をかかえていたザクセン侯に力を見せるために用意したものとあって、若きヴェラチーニの圧倒的な才能をうかがわせる力のこもった作品がずらりと並んでいます。


★解説★

 4つの楽章から成り、緩・急・緩・急の構成です。みごとな出来映えの傑作。

 第1楽章はラルゴ(広びろと)、8分の12拍子。タイと付点音符を用いた独特な音型でリコーダーが歌い、通奏低音は「頭欠け」の音型で付き添う音楽になっています。

 第2楽章はアレグロ(快活に)4分の4拍子。速いスラー音型に特徴があります。第1のテーマが2度繰り返されると、第2のテーマが属調(この場合はニ長調)で登場して繰り返され、そのあと長大な「展開部」が置かれて、最後に第1のテーマが回帰し、第2のテーマも今度は主調(ト長調)で回帰、そして終結部に続くきます。この構成はのちに発達した「ソナタ形式」を先取りするものだと言えるでしょう。「展開部」が短調に傾きがちなことによってもその印象が強められています。

 第3楽章は再びラルゴ、4分の4拍子。ホ短調で、全体が15小節という小規模な中に多彩なモチーフを惜しげなくちりばめ、しかも劇的に構成されています。ヴェラチーニらしい、実に豪奢な小品。

 第4楽章は再びアレグロで、8分の3拍子。これも第1楽章と同様、後年のソナタ形式を先取りする形式感を持つ大規模な楽章です。この楽章に限らずスラー音型が駆使されているのはヴァイオリン奏者の作品らしいところだと言えるかも知れません。ことにその効果がみごとなのは展開部途中から8分音符で息長く歌う箇所です。リコーダーでこんなに長く息を吐き続けながら歌うアレグロのフレーズは珍しいうえ、和声・リズム感も含め感覚が新鮮で、とてもバロック時代の作品とは思えないほどです。


※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−2)
第3楽章(B−3)  
第4楽章(C−2)
 ※カッコ内は指回り難度です。
 ※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


■ヴァイオリンによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
 ※ヴァイオリン演奏:棚田めぐみ  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司


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