ソナタ 二短調 作品3−6
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RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」
★この曲を収録したCDつき楽譜★
2281 リコーダー用 1800円+税
SR-142 リコーダー用 3800円+税
ダウンロード製品 620円(税込)
★解題★
ヴァレンタインの「12のソナタ・作品3」は、「作品2」の発表の2年後、1710年にローマで出版されました。矢継ぎ早に作品が出版されている様子から、往年の活躍ぶりと作品の人気がしのばれます。
★解説★
緩急緩急の4楽章から成ります。両端楽章は比較的普通なのですが、第2・第3楽章は非常に特異な音楽で、作曲者の意欲と充実を感じさせます。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子です。低音が同度カノンふうにリコーダーを追いかける形の比較的平凡な開始ですが、長調に転じてサッと前半をしめくくる手際はなかなか非凡です。後半は三連符を用いたモチーフで低音とかけあいを演じ、間もなく収束に入ります。
第2楽章はアレグロ(快活に)と指定され、アルマンドと題されています。1小節半という変則的な長さのフレーズをしきりと用いながら、ユーモラスに音楽を進めます。後半に入るとふつうの偶数小節数のフレーズの音楽になって、上行と下行のゼクエンツを中心にテーマの展開。そしてテーマが再現したかと思うと、ここで16分音符が初めて登場し、いい調子でかっとばしてきた初見演奏者はここで泡を食うことになります。
第3楽章はアダージョ(ゆっくりと)、2分の3拍子、ニ短調の属調であるイ短調で書かれています。最初は、独奏楽器が半音階的な動きをみせて少し波乱含みではあるものの、まずはわかりやすくイ短調のフレーズを形成しますが、その先は何とも独特なモヤがかかったような音楽で、ト短調、ヘ短調、を経てニ短調へと揺れ動き、いったんニ短調で終止しますが、最後はもう1度イ短調で終止し直します。
第4楽章はアレグロのジークで、8分の3拍子です。これはまさに活発に踊りながら駆け抜けるイタリアふうジークの典型的な音楽で、前半、後半をそれぞれ繰り返して姿よくまとめられています。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−1)
第3楽章(A−2)
第4楽章(C−1)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー&MIDIチェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源と全音G-1A)