ソナタ ハ長調 作品3−8
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RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」
★この曲を収録したCDつき楽譜★
2291 リコーダー用 1800円+税
ダウンロード製品 620円(税込)
★解題★
ヴァレンタインの「12のソナタ・作品3」は、「作品2」の発表の2年後、1710年にローマで出版されました。矢継ぎ早に作品が出版されている様子から、往年の活躍ぶりと作品の人気がしのばれます。
★解説★
作品3-8のハ長調のソナタは4つの楽章から成り、緩急緩急の構成と言ってよいでしょう。ただ、第2楽章がコレンテ(クーラント)という舞曲になっていますから、いわゆる「教会ソナタ型」(第二楽章は速い対位法的楽曲であるのが普通)とも言えず、いわば室内ソナタ(舞曲を集めた組曲のような様式)と教会ソナタとの折衷型といった趣です。
第1楽章はアダージョ(遅く)、4分の4拍子です。細かな速い動きも駆使しながらも歌謡性に富む音楽をくり広げ、途中からさっと三連リズムを導入して景色を変える手際は鮮やかです。最後は「Ada(gio) e Pia(no) =ゆっくりと、弱く」と指定された終結部が半終止で第2楽章を呼びます。
第2楽章はコレンテと題され、アレグロ(快活に)と指定されています。付点リズムと三連リズムが混用されていて、付点リズムを三連寄りに演奏するのか、それとも三連リズムとは区別してむしろ厳しくとるのかが問題となりますが、後者の方が三連リズムが登場したときに新鮮さがあって良いのではないでしょうか。その他、リズムの解釈には(当時の記譜習慣との関係で)いろいろと問題がある曲ですが、「書かれている通り」のリズムで演奏しても、べつに悪くないと思います。
第3楽章は4分の3拍子で、再びアダージョです。第2楽章と同様の付点リズムで始まりますが、暗いイ短調で始まるうえ足取りがずっと重いので、まったく違う雰囲気の音楽です。歌い出しのメロディーは4小節で終わるのかと思ったら、ヘミオラを用いることによって終止を2倍に拡大し、結果的に5小節という半端な長さになっているのをはじめ、随所に工夫があり、劇的に構成された佳品です。フリギア終止で次の楽章へ続きます。
第4楽章は、再びアレグロで、4分の4拍子です。ヴァレンタインらしい陽気なノリの音楽で、かなり速く演奏したい気がするかも知れませんが、八分音符にトリルがつけられている箇所があるということを重視すれば、あまり極端に速いテンポではないことになるでしょう。エコーをどのように取り入れるかについてもいろいろな可能性があります。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(C−1)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−2)
第4楽章(C−1)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー&MIDIチェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源と全音1500BN)
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