ソナタ イ短調 作品3−9
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RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」
★この曲を収録したCDつき楽譜★
ダウンロード製品 620円(税込)
2294 リコーダー用 1800円+税
★解題★
ヴァレンタインの「12のソナタ・作品3」は、「作品2」の発表の2年後、1710年にローマで出版されました。矢継ぎ早に作品が出版されている様子から、往年の活躍ぶりと作品の人気がしのばれます。
★解説★
ヴァレンタインの「作品3」のソナタ集では、緩急緩急の4楽章構成(つまりその点では「教会ソナタ」型)でありながら、第2楽章以下は舞曲を並べ、第1楽章を前奏曲とした「室内ソナタ」ふうの構成をとる作品が多いのですが、本作もそのタイプです。比較的小粒ながら充実した内容の佳品です。「ナポリ6」の和音を全楽章で用いているのも耳に残ります。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子。テーマは、多数の16分音符を含むうえ、32分音符の速い動きの箇所もありながら、こせこせした感じがなく、ゆたかな歌謡性を持っています。テーマに含まれていた要素を活用しながら音楽を進め、コンパクトにまとめています。
第2楽章はアレグロ(快活に)と指定されたアルマンドで、4分の4拍子です。ヴァレンタインのアルマンドは八分音符の跳躍進行を中心としてつくられることが多かったのですが、この楽章は16分音符がひたひたと刻んでいくノリで書かれていて、シックハルトのアルマンドを思い出させます。
第3楽章はラルゴ(広々と)と指定されたサラバンドです。「四分・付点四分・八分」というサラバンドに特徴的なリズムを多用した、その意味で「サラバンドらしいサラバンド」だと言えるでしょう。気品のある名品です。
第4楽章は再びアレグロで、8分の12拍子で、ジーグでしょう。伸びやかな感じのテーマで始まり、たいへんそつなく、姿よくまとめられています。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−3)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−2)
第4楽章(B−3)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー&MIDIチェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源とアウロス509B)
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