ソナタ ト短調 作品3−11
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RJP応援チャンネル「リコーダーの底力」
★この曲を収録したCDつき楽譜★
ダウンロード製品 620円(税込)
2305 リコーダー用 1800円+税
SR-159 リコーダー用 3800円+税
★解題★
ヴァレンタインの「12のソナタ・作品3」は、「作品2」の発表の2年後、1710年にローマで出版されました。矢継ぎ早に作品が出版されている様子から、往年の活躍ぶりと作品の人気がしのばれます。
★解説★
緩急緩急の4楽章構成です。遅い第1・第3楽章は叙情的で美しく、速い偶数楽章も爽快で、小粒ながら内容の濃い傑作。
第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の3拍子です。しっとりとした開始から哀切に歌い、途中は付点の跳ねるリズムを導入して、やや軽みを帯びた明るさを感じさせます。収束に向かっては「減七」の和音をきしませ、陰影の濃い表現。いったん終止したあとフリギア終止に進んで第2楽章へのつなぎとしています。
第2楽章はアレグロ(快活に)、4分の3拍子。力強い分散和音を踏みしめて始まり、間もなく八分音符による跳躍進行の多い音楽になります。「ひとり2声部」になる技法も適宜取り入れて密度高い音楽をくりひろげます。
第3楽章は再びアダージョで、4分の3拍子です。さかんにヘミオラによる終止を転調しながら重ねていく音楽の進め方ですが、いちいち説得力があって胸に迫ります。最後はやはりフリギア終止で第4楽章を呼びながら終わります。
第4楽章は再びアレグロと指定されたジーグです。ヴァレンタインはこういうぎゅっと凝縮したような短めの楽章を得意とした作曲家ですが、この楽章などはその最高の達成のひとつかも知れません。弾んだり歌ったりたたみかけたり、変幻自在の音楽をくりひろげつつ簡潔にまとめられた、みごとな終曲です。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−2)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−1)
第4楽章(C−1)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー&MIDIチェンバロ演奏: 石田誠司 (使用楽器はRJP所有のデジタルサンプリング音源とAulos 509B)
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