ソナタ 田舎での休暇 第1番 ヘ長調
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★この曲を収録したCDつき楽譜★
3092 アルトリコーダー用 1800円+税
SR-133 アルトリコーダー用 3800円+税
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★解題★
「田舎での休暇」(Villeggiatura)と題されたこの無伴奏デュオソナタ集は、パルマのパラティン伯図書館 (Biblioteca Palatina)に伝えられた手書きの楽譜集に収められていたものです。他には6曲ずつ2セットで合計12曲の通奏低音伴奏ソナタが一緒に綴じられていました。
ヴァレンタインの無伴奏デュオは、愛好家の多かったイギリスやフランスでは出版されていましたが、イタリアではあまり出版された形跡がありません。以下、本作を初めて印刷譜として出版したUT ORPHEUS版に掲げられたNicoka Sansone氏の序文によると、この二重奏曲集も、ルッカの貴族で音楽愛好家だったParensiが、おそらく練習用の曲として作曲者から個人的に提供を受けたものではないかといいます。そして、作曲年代は、ナポリ6度和音の頻繁な使用や、快速楽章の最初や最後のところにユニゾンをよく用いていること、終曲としてメヌエットを好んで置いていること、Amoroso やAndanteなどの発想記号を好んで用いていることなどから、作曲者晩年の1730年ごろだろうと推定されています。
その推定が当たっているかどうかはともかく、掛け値なしに充実した作品が揃っており、音楽的興趣の尽きないすばらしい二重奏曲集となっています。
★解説★
第1番のソナタはヘ長調で4つの楽章から成っています。
第1楽章はアレグロ(快活に)、8分の6拍子で、あきらかに狩猟で用いる角笛を模した音楽です。貴族一家が田舎で休暇を過ごすとなれば、気晴らしに狩りに出かけるのはいかにもありそうなことで、曲集の冒頭を飾るのにまことにふさわしいと言えるでしょう。音楽的には、リズミックな気持ち良さ、響きの心地良さ、そして2本のリコーダーの複雑なからみを盛り込んで実に面白く書かれており、いっぺんで魅了されます。
第2楽章はアダージョ、4分の3拍子です。最初、少し拍子も調性もわかりにくいような始まりかたをしますが、やがてニ短調を基調に進み始めます。全体は三部形式で、ダ・カーポで最初に戻るようになっています。第2リコーダーが半音階的に下るゼクエンツが美しい。
第3楽章はヴィヴァーチェ(生き生きと)、4分の2拍子です。かろやかで快活な音楽で、リズムの面白さも色合いの変化の魅力も味わえる、楽しい小品です。最後の方でときどき2本のリコーダーがユニゾンになるのが面白い効果を上げます。
第4楽章は再びアレグロで、8分の3拍子です。かわいらしいモチーフを扱った、お茶目でチャーミングな終曲です。32分音符まで出てきますが、勢いで演奏できるような形なので、意外に難しくはないでしょう。
※演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
第1楽章(C−1)
第2楽章(B−2)
第3楽章(B−3)
第4楽章(B−3)
※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:武藤哲也
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