リコーダーJP R. ヴァレンタイン作品


アルトリコーダーデュオソナタ
イ短調 作品6-4



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★この曲を収録したCDつき楽譜★
ダウンロード製品 620円 (税込)



★解題★

  ロバート・ヴァレンタインの「作品6」の無伴奏二重奏曲集は、いつごろどこで初出版されたのか、調べ得た範囲ではわかりませんでしたが、Walshによりロンドンで出版された版(おそらく初版ではない)が存在しますので、それに基づいて版を起こしました。

 アルトリコーダー用の無伴奏二重奏曲集ですが、6曲のうち最初の4曲は「作品3」の通奏低音伴奏独奏ソナタの編曲です。第5番と第6番については今のところ「元ネタ」の曲を見つけられていませんが、これらにもオリジナルがあるのかも知れません。

 編曲とは言いながら、たとえばルイエ・ド・ガンのソナタに基づいた同様の曲集(たぶん作曲者とは別人による編曲)などに比べると、非常によくできており、作曲者自身の手になる改作だったのではないかと思われます。


★解説★

 同じ作曲者の「作品3−9」のソナタが元になっています。このソナタ集では、緩急緩急の4楽章構成(つまりその点では「教会ソナタ」型)でありながら、第2楽章以下は舞曲を並べ、第1楽章を前奏曲とした「室内ソナタ」ふうの構成をとる作品が多く、本作もそのタイプです。比較的小粒ながら充実した内容の佳品です。「ナポリ6」の和音を全楽章で用いているのも耳に残ります。

 第1楽章はアダージョ(ゆっくりと)、4分の4拍子。テーマは、多数の16分音符を含むうえ、32分音符の速い動きの箇所もありながら、こせこせした感じがなく、ゆたかな歌謡性を持っています。テーマに含まれていた要素を活用しながら音楽を進め、コンパクトにまとめています。

 第2楽章はアレグロ(快活に)と指定されたアルマンドで、4分の4拍子です。ヴァレンタインのアルマンドは八分音符の跳躍進行を中心としてつくられることが多かったのですが、この楽章は16分音符がひたひたと刻んでいくノリで書かれていて、シックハルトのアルマンドを思い出させます。

 第3楽章はラルゴ(広々と)と指定されたサラバンドです。「四分・付点四分・八分」というサラバンドに特徴的なリズムを多用した、その意味で「サラバンドらしいサラバンド」だと言えるでしょう。気品のある名品です。

 第4楽章は再びアレグロで、8分の12拍子で、ジーグでしょう。伸びやかな感じのテーマで始まり、たいへんそつなく、姿よくまとめられています。


※演奏例がお聴きいただけます

■リコーダーによる演奏
第1楽章(B−3)
第2楽章(C−1)
第3楽章(B−2)
第4楽章(B−3)

※カッコ内は指回り難度です。
※リコーダー演奏:
石田誠司


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