リコーダーJP ディヴィジョン・フルート


ファロネルのグラウンド
(ラ・フォリア)


全曲(ノーカット)が試聴できます
(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)


★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
2226 リコーダー用 1200円+税
SR-157 リコーダー用 3800円+税
ダウンロード製品 1240円(税込)




曲集「ディヴィジョン・フルート」について

 ディヴィジョンとは、多くの回数繰り返し演奏される低音パターンに乗せて、即興的に演奏された一種の変奏曲で、主題としては、よく知られた歌謡や楽曲の旋律が用いられました。イギリスでは17世紀にヴァイオリンの名手たちがよく演奏して人気を博しました。1686年にイギリスの出版業者Playfordが出版した「ディヴィジョン・ヴァイオリン」は、名人のたちの演奏に刺激された音楽ファンの「自分でも演奏してみたい」という需要に応えるものだったのでしょう。

 やがて紳士の間でリコーダーが流行するなか、出版業者Walshは1700年代初頭に「ディヴィジョン・フルート」を発刊しました。これは、「ディヴィジョン・ヴァイオリン」から多くの曲を取り入れ、別の曲も加えて編まれたもので、有名な「グリーンスリーブズ」や「イタリアン・グラウンド」などを含む、リコーダーファンの間では有名な曲集となっています。


「ファロネルのグラウンド」について

 「ラ・フォリア」のテーマを用いたグラウンドです。有名なコレルリのラ・フォリアは1700年の出版ですから、この曲の方が先に広く知られていたことになります。タイトルではファロネル(Faronell)とありますが、作曲者はファリネル(Farinell)というフランス人ヴァイオリニストです。

 最初の部分(テーマと最初の変奏)は、フランスの宮廷作曲家・リュリ (Lully)の Air des Hautbois Les Folies d'Espagne という合奏曲の旋律とそっくりです(Lullyでは付点リズムでなく均分リズで書かれていますが)。おそらくLullyの作品をふまえたものだったのでしょう。

 また、このグラウンドはイギリスではよく親しまれたらしく、Thomas D'Urfey という人物が曲の前半部の旋律に国王チャールズ2世をたたえる歌詞をつけた Joy to Great Caesarという歌に仕立てました。また、いろいろな教則本や、ペープシュの劇音楽「乞食オペラ」にも引用されているとのことです。

 「フォリア」の名作は数々ありますが、この「ファロネルのグラウンド」も、逸することのできない作品だと言ってよいでしょう。


※演奏例がお聴きいただけます
リコーダーによる演奏 (C−1)

 ※カッコ内は指回り難度です。
 ※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司



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