リコーダーJP ディヴィジョン・フルート


グラウンド上のグリーンスリーブズ


全曲(ノーカット)が試聴できます
(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)


★この曲を収録したCDつき楽譜★
3002 リコーダー用 1400円+税
ダウンロード製品 620円+税
SR-158 リコーダー用 3800円+税




曲集『ディヴィジョン・フルート』について

 ディヴィジョンとは、多くの回数繰り返し演奏される低音パターンに乗せて、即興的に演奏された一種の変奏曲で、主題としては、よく知られた歌謡や楽曲の旋律が用いられました。イギリスでは17世紀にヴァイオリンの名手たちがよく演奏して人気を博しました。1686年にイギリスの出版業者Playfordが出版した『ディヴィジョン・ヴァイオリン』は、名人のたちの演奏に刺激された音楽ファンの「自分でも演奏してみたい」という需要に応えるものだったのでしょう。

 やがて紳士の間でリコーダーが流行するなか、出版業者Walshは1700年代初頭に『ディヴィジョン・フルート』を発刊しました。これは、『ディヴィジョン・ヴァイオリン』から多くの曲を取り入れ、別の曲も加えて編まれたもので、有名な「グリーンスリーブズ」や「イタリアン・グラウンド」などを含む、リコーダーファンの間では有名な曲集となっています。


「グラウンド上のグリーンスリーブズ」について

 ヴォーン・ウィリアムズの「グリーンスリーブズ幻想曲」というハープとフルートのための作品があり、かなりしっとりとした叙情的なものです。そして、「グリーンスリーブズ」といえば、この雰囲気を踏襲したいろいろな編曲で親しまれてきたのですが、わが「グラウンド上のグリーンスリーブズ」は、むしろかなり活発な感じの曲で、リコーダーのすぐれた運動性が遺憾なく発揮された骨太の音楽です。ことに最後のほうはかなりのスピード感でたたみかけるように盛りあがりを形成する演奏をすることも可能ですが、RJP版の伴奏音源・参考音源の演奏では、比較的淡々と、あるいはじっくりと演奏することを想定して、テンポの変化などはほとんど行ないませんでした。

 皆さんがよくお使いの、スイスの出版社「アマデウス」版では、「原曲の指定通りでは低音がメロディーと合わないときがある」として、ときどき低音の1小節目をF音でなくD音とする提案を行なっていますが、本書では一貫して原典通りとしています。

 また、第13変奏の103小節について原典(Walsh版The Division Flute)では臨時記号に混乱がありますので、Playford版The Division Violinにもとづいて校訂しました。一般には、この小節の「シ」の音を「ナチュラルのシ」で演奏している人が多いと思いますし、「増2度」の進行を避けて「旋律的短音階」とするための第6音の臨時記号は、このように(臨時記号がなくてもわかるだろうということで)省かれることがあったようにも思われますが、演奏例では、あえて「オリジナルの記載通りの読み」となる「シ♭」で演奏してみました。


※演奏例がお聴きいただけます

リコーダーによる演奏 (C−1)

 ※カッコ内は指回り難度です。
 ※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司



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