リコーダーJP ディヴィジョン・フルート


エクルズ氏のグラウンド


全曲(ノーカット)が試聴できます
(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)


★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1240円(税込)

2289 リコーダー用 1400円+税
SR-167 リコーダー用 3800円+税



曲集『ディヴィジョン・フルート』について

 ディヴィジョンとは、多くの回数繰り返し演奏される低音パターンに乗せて、即興的に演奏された一種の変奏曲で、主題としては、よく知られた歌謡や楽曲の旋律が用いられました。イギリスでは17世紀にヴァイオリンの名手たちがよく演奏して人気を博しました。1686年にイギリスの出版業者Playfordが出版した『ディヴィジョン・ヴァイオリン』は、名人のたちの演奏に刺激された音楽ファンの「自分でも演奏してみたい」という需要に応えるものだったのでしょう。

 やがて紳士の間でリコーダーが流行するなか、出版業者Walshは1700年代初頭に『ディヴィジョン・フルート』を発刊しました。これは、『ディヴィジョン・ヴァイオリン』から多くの曲を取り入れ、別の曲も加えて編まれたもので、有名な「グリーンスリーブズ」や「イタリアン・グラウンド」などを含む、リコーダーファンの間では有名な曲集となっています。


「エクルズ氏のグラウンド」について

 かなり独特なスタイルのディヴィジョンです。最初のテーマを第1ディヴィジョンとして数えて第3ディヴィジョンにあたる箇所は、第1ディヴィジョンと同じ楽譜になっていますし、第4ディヴィジョンや第5ディヴィジョンにはかなり長い休みがあって、メロディーの変型というより対旋律のようなおもむきです。

 こうした点について、Amadeus版の解説は「もとは歌だったのではないか」という推測を述べています。いずれにせよ、凡手によるディヴィジョンでない独創的な作品なのは確かで、タイトルの通り、旋律だけでなく本作全体が作曲家ソロモン・エクルズの作品なのでしょう。

 ソロモン・エクルズは、最初はもちろんふつうのキリスト教徒だったのでしょうが、人生途中でクエーカー教に改宗し、その宗教的信念から、作品をすべて焼き捨ててしまったそうです。このため作品がほとんど残っておらず、ディヴィジョン・フルート(およびディヴィジョン・ヴァイオリン)に収録されているのは貴重な例外ということになるでしょう。

 なお、演奏テンポについてはかなり幅広い可能性がありそうです。非常に遅いテンポで打ち沈むように演奏される例もありますので、製品ではそのようなテンポの伴奏も用意しました。


※演奏例がお聴きいただけます
リコーダーによる演奏 (B−3)

 ※カッコ内は指回り難度です。
 ※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司



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