リコーダーJP ディヴィジョン・フルート


ジョン・バニスター氏のディヴィジョン


全曲(ノーカット)が試聴できます
(YoutubeのRJP応援チャンネル「リコーダーの底力」)


★この曲を収録した伴奏音源つき楽譜★
ダウンロード製品 1240円(税込)
2309 リコーダー用 (1800円+税)

SR-167 リコーダー用 3800円+税



曲集『ディヴィジョン・フルート』について

 ディヴィジョンとは、多くの回数繰り返し演奏される低音パターンに乗せて、即興的に演奏された一種の変奏曲で、主題としては、よく知られた歌謡や楽曲の旋律が用いられました。イギリスでは17世紀にヴァイオリンの名手たちがよく演奏して人気を博しました。1686年にイギリスの出版業者Playfordが出版した『ディヴィジョン・ヴァイオリン』は、名人のたちの演奏に刺激された音楽ファンの「自分でも演奏してみたい」という需要に応えるものだったのでしょう。

 やがて紳士の間でリコーダーが流行するなか、出版業者Walshは1700年代初頭に『ディヴィジョン・フルート』を発刊しました。これは、『ディヴィジョン・ヴァイオリン』から多くの曲を取り入れ、別の曲も加えて編まれたもので、有名な「グリーンスリーブズ」や「イタリアン・グラウンド」などを含む、リコーダーファンの間では有名な曲集となっています。


「ジョン・バニスター氏のディヴィジョン」について

 ジョン・バニスターという作曲家は同じ名の父子が知られており、父親の方が、ロンドンで初めてコンサートをしたとか国王づきの音楽家だったとかで有名なのですが、Amadeus社版の解説によると、作風からみて息子の方の作品だろうとのことです。

 なつかしい感じの8小節のテーマによるディヴィジョンです。複縦線がリピートを表している可能性もありますが、長大になりすぎるうえ、一部につながりがちょっと変かなという個所も生じますので、ストレートで演奏してしまうのがいいでしょう。

 変奏は、付点の跳ねるリズムによるものを何度も織り込んでいるのが独特な感じを受けます。ところどころ、和声の変化を求める変奏があるあたりが、さすがに専門の作曲家による作品で、終わり近くにしだいに細かな動きを持ってきてクライマックスをつくってから収束に持って行く設計も、うなずけるものがあります。

 わりにさっさか進む速いテンポが気持ちいいと思いますが、終わり近くで連続16分音符になったところでテンポを落とすのでは台無しですから、ここを乱れずに演奏できるテンポを選んで演奏することになるでしょう。



※演奏例がお聴きいただけます
リコーダーによる演奏 (C−1)

 ※カッコ内は指回り難度です。
 ※リコーダー演奏: 石田誠司  チェンバロ(電子楽器)演奏: 石田誠司



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