■解題めいたこと
いつもフレッシュな現代感覚をみせる松崎泰治さんの、ソプラノ・アルト二重奏用の変奏曲です。
2005年度の新潟リコーダーコンテストに出場するグループからの委嘱により書かれた「コンクール用ピース」です。したがってテクニック的に難しいところもありますが、一部の「現代曲」のように特殊な奏法を必要とするわけではありません。ごくオーソドックスなリコーダー曲であって、少々音とりがむずかしい個所があるだけなので、時間をかけて練習すれば何とかなるかたが多いのではないでしょうか。
■解説めいたこと
主題はよく知られたクリーガーのメヌエットですが、変奏は古典的な匂いの強いものからロマン的なもの・現代的なものと多彩です。途中に一度推移部をはさみながら8つの変奏が行なわれます。
第1変奏 4分の3拍子。付点リズムによるシンプルな変奏で、まだ古典の曲のよう。
第2変奏 8分の9拍子になり、半音階的進行に少し現代曲らしさが出てきます。
第3変奏 4分の3拍子に戻り、淡々としたリズムですが響きはかなり現代ふう。
第4変奏 シンコペーションによる易しい変奏で、また古典の世界に戻ってきた感じ。
第5変奏 かけあいのようになり、トリルを取り入れた変奏。
第6変奏 長調になって、アルトがメロディーを歌う変奏。
ブリッジ 第7変奏への橋渡しの音楽です。
第7変奏 8分の3拍子になり、嵐のような音階による変奏。ソプラノとアルトがきれ いにつながるように奏するのは大変そうです。
第8変奏 ソプラノは16分の9拍子、アルトは8分の3拍子で、要するに3連符と2 連符のリズムが同時に進行していく音楽です。
エピローグ テーマを回想しながら曲をしめくくります。
※ 演奏例がお聴きいただけます
■リコーダーによる演奏
クリーガーの主題による変奏曲
※リコーダー演奏:小竹知紀