C. P. E. バッハ
ソナタ ホ長調 Wotq 84

★この曲を収録したCDつき楽譜★

SF-040フルート用 2400円+税
SF-043 フルート用 3800円+税

★解題★

 カール・フィリップ・エマニュエル・バッハは、こんにち大バッハとして知られるJ. S. バッハの息子で、生前の名声はむしろ父をしのぐほどのものでした。啓蒙専制君主として名高いプロイセンのフリードリヒ大王に長らく仕えていた関係で、フルート愛好家であった大王のために書いたフルート曲がいくつもあります(もっとも、のちにテレマンの後任としてハンブルグに赴いてからもすぐれた曲を書いていますが)。

 この作品は1745年から1749年ごろに書かれたもので、トリオソナタとしてのバージョンもあります(Wotq162)。その関係で、チェンバロ右手はトリオソナタ版ではもう1本の独奏楽器になるはずのパートを扱っていきますから、フルートと対等に近い活躍をみせます。のびやかな良さのある曲で、また各楽章のしめくくり方に新鮮な工夫が凝らされています。

★解説★

 3つの楽章から成っています。

 第1楽章はアレグレットと指定され、4分の3拍子です。気品のあるテーマは特徴的なリズム型を持っていて、これが手を変え品を変えて扱われていきます。

 第2楽章はアダージョ・ディ・モルト、4分の4拍子で、ホ短調です。細かな音符をまじえて強い感情の動きを表現していく、エマニュエル・バッハらしい緩徐楽章です。

 第3楽章はアレグロ・アッサイ、8分の6拍子で、明るくのびのびと歌っていく曲です。非常に速いテンポで演奏する人もいますが、生き生きと歌えるテンポを選ぶほうが良いのではないかと思います。展開部は非常に気の利いた良さがあり、曲の最後はフルートがそっと音を置くように終わります。

※ 演奏例がお聴きいただけます

■フルートによる演奏
第1楽章
第2楽章
第3楽章
※フルート演奏: 大塚由貴  電子チェンバロ: 石田誠司

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