C. P. E. バッハ
ハンブルガーソナタ ト長調 Wotq 133
★この曲を収録したCDつき楽譜★ ※ 演奏例がお聴きいただけます
SF-042フルート用 2400円+税
SF-043 フルート用 3800円+税
★解題★
カール・フィリップ・エマニュエル・バッハ(1714-1788年)は、こんにち大バッハとして知られるJ. S. バッハの息子で、生前の名声はむしろ父をしのぐほどのものでした。啓蒙専制君主として名高いプロイセンのフリードリヒ大王に長らく仕えていた関係で、フルート愛好家であった大王のために書いたフルート曲がいくつもあります(もっとも、のちにテレマンの後任としてハンブルグに赴いてからもすぐれた曲を書いていますが)。
そして、このソナタこそその「ハンブルグ時代」の作品で、1786年の作といいますから、本当に最晩年の作品ということになります。しかし音楽は実に若々しく可愛らしいスタイルで書かれています。考えてみれば1786年といえばモーツァルトにとっても晩年といわれる年代になりますし、ベートーヴェンがすでに少年から青年に差し掛かるころですから、そういう時代の音楽が影響しているのでしょう。演奏はかなり難しくて、コンクールの課題曲などにもよく採用されています。
★解説★
2つの楽章から成っています。
第1楽章はアレグレットと指定され、4分の3拍子です。伸びやかな主題と、はつらつとしたモチーフがじつにみずみずしい魅力を放ちます。全体は簡単な「ソナタ形式」とみてよいのでしょう。前半、後半ともに繰り返しがあります。
第2楽章はプレストのロンド、4分の2拍子です。可憐で躍動感のあるロンド主題に対し、第一副主題は軽快です。ロンド主題が戻ったあと、短調を基調とする短い展開部があります。続いてロンド主題を挟んで、第三副主題はハ長調に転じ、少しやわらかな表情をみせます。さらにロンド主題を挟んだあと、すこし長めの展開部があります。そして、ロンド主題・第一副主題が回帰したあと、なつかしい感じを盛り上げてコーダになっていきます。
■フルートによる演奏
第1楽章
第2楽章
※フルート演奏: 大塚ゆき 電子チェンバロ: 石田誠司