■■リコーダーJP の現代作品■■

  かたらい  〜リコーダーとチェンバロが語り合う入門曲〜
作 曲 者 石田誠司
作 曲 年 2001年
種   別 アルト独奏
段   階 入門段階
演奏時間 約25秒×3(原曲および変奏二つ)
 演奏例演奏者 (リコーダー)安宅留美子  (MIDIチェンバロ)石田誠司


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<解説>

 「ドレミ」の3音だけで演奏でき、細かな音符もまったく出てこない入門段階の曲です。全体は8小節しかなく、「ミ→ド」の指使いも出てきません。同じ作者の「いこい」とならぶ、やさしい入門曲です。

 チェンバロが鳴らす和音を合図にリコーダーがまずひとこと語ると、チェンバロがそれに答えます。またリコーダーがひとこと、チェンバロがひとこと。そして、最後は声をそろえて仲良く曲をしめくくります。

 リコーダーが歌いはじめるとき、フレーズの最初に休符がありますから、一拍休んでから始まる「感じ」をつかんで演奏してください。

 なお、楽譜には、少し変奏した例も掲載されていて、リコーダー演奏の伝統ともいえる「奏者の自由なアドリブ」の雰囲気も楽しめるようになっています。



<演奏上のヒント>(楽譜をクリックすると音が聞けます)

 パート譜だけ見ていると、ずいぶん休符が多い曲です。リコーダーが休んでいる間は、チェンバロが応答を演奏していますから、それをよく聴いて、次に出るタイミングを間違わないようにしましょう。

 こういう場合、伴奏CDについている「スコア」をながめながら演奏例を聴いてみると、音楽の仕組みがよくわかります。たとえば、冒頭ですが、

(1〜3小節 スコア)


 このように、リコーダーが4拍ぶんの短いメロディーの断片を歌うのに続いて、チェンバロがやはり4拍ぶんの応答をしているのです。そして、リコーダーがまた歌う・・・というように、交代で音楽が進むようになっています。

 そして、後半になると、リコーダーは、1拍の休符をはさんで語りつのり、それにチェンバロが声をそろえて、音楽がしめくくられます。最後は少し「リタルダンド」(だんだんテンポをゆっくりにする」をして、音楽がおだやかに終わるようにしています。

(7〜8小節)



 これをもし、テンポをすこしも変えずにおしまいまで行くと、それも一つのやりかたではありますが、聴く人にとっては「あれっ、今ので終わり?」と感じられやすくなります。音楽がゆっくりブレーキを踏んで止まるように、テンポがゆっくりになっていくことによって、「安全停止」ができるわけですね。

 さらに、楽譜や伴奏CDには、変奏例とその演奏も入っています。じょうずに演奏できるようになってきたら、それらを参考に、いろいろな自分なりのバリエーションを楽しんでみてください。



<作曲者から>

 「いこい」と同じく、2001年の初夏に、「これ以上ないほどやさしくて、しかも短い曲」をいくつか考えてみた中の一つです。
 「いこい」が2分音符が中心だったのに対し、この「かたらい」は4分音符が中心になっていますが、休符を多くとって、フレーズを短く切っていますから、そんなに忙しくは感じないと思います。

 派手さはまったくない曲ですが、チェンバロとの対話を楽しむような気持ちで、「伴奏をよく聴きながら呼吸を合わせる」ことを練習してみていただきたいと思って作りました。初心者のみなさんのお役に立てればうれしく思います。



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