----------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                         015号 2003.10.29. ---------------------------------------------------------------- ★ごあいさつ★  秋も深まり、肌寒い日も多くなってまいりましたが、いかがお過ごし でしょうか。  リコーダーJPメールマガジン第15号をお届けします。ご講読まこと にありがとうごいます。  さて、今号は、「アレンジメンツ」の新製品「クラシック名曲集2」 のご紹介、クラシック曲を中心とする「指回り難度」の表示開始と判定 ゲームのご紹介、クラシック曲製品仕様変更や値下げのお知らせ、また サポーターkazu様からお寄せいただきました千葉県佐倉市のリコーダー フェスティバルのリポートなど、盛りだくさんの内容です。 ■目次■ 1 <ごあいさつ> 2 「アレンジメンツ」新製品「珠玉のクラシック名曲集 2」発売 3 「クラシックベストセレクションズ」仕様変更と値下げについて 4 最高級シリーズ「クラシックス」大幅値下げについて 5 「指回り難度」の表示開始・指回りスキル判定ゲーム 6 「佐倉リコーダーフェスティバル」リポート 7 朝岡聡さんも出演される「アンサンブル山手バロッコ」演奏会 8 その他のおもな新着記事 9 編集後記 …………………………………………………………………………………… ★「アレンジメンツ」新製品「珠玉のクラシック名曲集2」発売★ ……………………………………………………………………………………  耳慣れた名曲の数々をチェンバロ伴奏のアルトリコーダーで演奏でき る「アレンジメンツ」シリーズに、第七作として「珠玉のクラシック名 曲集2」が加わりました。標準テンポによる演奏例のほか、5種類のテ ンポによる伴奏を収録した仕様は従来通り。さらに、この製品には縮刷 ポケットスコアがおまけでついています。 http://www.recorder.jp/arrangements.htm#007 収録曲はいつものように3曲で、次のとおりです。 ■クラリネット協奏曲より(モーツァルト)  まずは天才モーツァルトの晩年の傑作「クラリネット協奏曲」の第2 楽章。リコーダーJPアレンジメンツでは、長い曲でも安易なカットは行 いません。この曲についても、8分ほども長さがありますが、全くノー カットのオリジナル通り。おかげでCDが2枚になってしまいました(が、 価格はいつも通りの1200円です)。  本当は「全楽章」と行きたかったのですが、さすがに音域の広いクラ リネットのこととて、1・3楽章はリコーダーでの演奏は容易ではない のです。この第2楽章でもあちこちで音域移動を行っていますが、何と か、かなり違和感の少ない形に持ってこられたのではないかと思ってい ます。お聴きいただいていかがでしょうか(笛の腕前はいつものことで 大目に見てやってください)。  演奏してみてつくづく思ったのですが、アルトリコーダーはクラリネ ットの中高音域にかなり近い音がしますね。もともとモーツァルトのク ラリネット協奏曲は管弦楽の色彩感によりかかった音楽ではありません から、音楽全体の響きの点でもチェンバロ伴奏のリコーダーで原曲の良 さが十分に生きた演奏が可能だと思います。正直言えば編曲にとりかか る前は、クラリネット協奏曲をリコーダーでなんて無理じゃないか・・ と心配もしていたのですが、やっぱりやってみて本当に良かったなぁと いうのがいつわらざる感想です。 http://www.recorder.jp/a0071.htm ■セレナーデ(ハイドン)  さて次はハイドンの「セレナーデ」です。原曲は弦楽四重奏曲ですが、 第1ヴァイオリン以外の3つの楽器はすべてピチカート奏法(弦を指で はじく奏法)で演奏し、明らかにギターかリュートあたりの伴奏を模倣 したような感じ。そこで、リュートストップをかけた音色のチェンバロ 伴奏は、まさにハイドンの意図にもばっちり合います。  そして、メロディーの音符は原曲から何ひとつ変更がありません。こ れがヴァイオリン用の楽譜だなんて思えない、と思うのは私だけでしょ うか。  だって、ヴァイオリンはソプラノリコーダーからバスリコーダーの音 域までをほぼカバーする音域を持っているのですよ。なのに、このメロ ディーは完全に「アルトの音域にジャストフィット」。ヴァイオリンな ら「ソプラノリコーダー音域」も「バスリコーダー音域」も使用可能な のに、ハイドンは、アルトリコーダー音域(しかも最も無理なく音が出 せる音域)しか使っていないのです。  だからって、まさか「原曲はリコーダーソナタだったのを、ハイドン が弦楽四重奏に流用したのだ!」なんて言うつもりはありませんが、も しかしたらそうなんじゃないかと思うぐらいです。吹いていて気持ちが いいことといったらありません。  いやしかし・・・もしかしたら、これはほんとに元はリコーダーソナ タだったのでは? http://www.recorder.jp/a0072.htm ■ハイドンのメヌエット  3曲目は、あまり有名な曲とは言えませんが、かけ値なしに名曲、晴 朗で実に気分のいいメヌエットです。実は、これは「セレナーデ」が属 するのと同じ17番弦楽四重奏曲で、まさにこの「セレナーデ」に続い て演奏される楽章なのです。  知的で、気品があって、はればれとしたハイドンの魅力を存分に味わ えるすてきなメヌエット。どうぞお楽しみください。 http://www.recorder.jp/a0073.htm …………………………………………………………………………………… ★「クラシックベストセレクションズ」値下げと仕様変更★ ……………………………………………………………………………………  ご好評をいただいている「クラシック ベストセレクションズ」シリ ーズですが、いただいたご意見を元に仕様変更を行い、新シリーズとし て再スタートいたします。(シリーズ名は同じです)  新しい仕様は次の通りです。 ■CDの構成は従来と同じ  製品の中核をなすCDには、バロックソナタ1曲につき、標準テンポに よる全楽章の伴奏を、モダンピッチ・バロックピッチの両方で収録し、 標準テンポ以外の4種類のテンポの見本(各楽章冒頭部分)をボーナス トラックとして収録します。各楽章のテンポをご希望に合わせて仕立て 直したカスタムCDを制作するサポート(税別・送料込み600円)もありま す。つまり、CDについてはすべて従来通りです。 ■大判パート譜がつきます!  従来はついていなかったパート譜を、大判の高級用紙に印刷して全品 に付属することにしました。これにより、「ベストセレクションズ」を お求めいただけば、市販楽譜などをお持ちでないかたでもすぐに演奏が 可能です。 ■縮刷スコアをプレゼント!!  さらに、今ならご購入いただいた曲の「縮刷ポケットスコア」をプレ ゼント。リコーダーJP版のCDで演奏されているチェンバロ伴奏をそのま ま完全に楽譜化したスコアです。ポケットスコアと言ってもA6版ですの で、鍵盤楽器の譜面置きに置いていただいて、鍵盤楽器奏者のかたに弾 いていただくことは十分可能だと思います。コスト面をきりつめていま すので簡素な楽譜ですが、実用上は問題ありません。 ■そして値下げ!!!  同時に定価を11月より「全品2000円」へと値下げを断行(従来は3000 円の製品がほとんどでした)。リコーダーJPの願いは「どなたでも手軽 に最高の音楽を演奏して楽しめる世の中にすること」ですから、これか らも常に、よりお求めいただきやすい価格、それでいて十分な品質をも つ製品のご提供をめざして頑張ります。 ■さらにキャンペーン特価!!!!  また「まぐまぐ」によるメルマガ配信開始やサイトのアクセス数急増 などにより、最近になってリコーダーJPのことを知ってくださった皆様 が多数いらっしゃることを考慮して、「ベストセレクションズのリニュ ーアル キャンペーン価格」をご用意しました。もしかすると、ちょっ と驚いていただけるかも? それは・・・ 全品 1200円 のセールです。販売元とも相談しながら、しばらく続けてみたいと思っ ておりますので、ぜひこの機会に「ベストセレクションズ」各製品をお 試しくださいますよう、お願い申し上げます。 http://www.recorder.jp/announce03.htm#best …………………………………………………………………………………… ★最高級シリーズ「クラシックス」大幅値下げについて★ ……………………………………………………………………………………  リコーダーJP「クラシックス」は、上装大判楽譜と贅沢仕様のCD(5 種類のテンポによるモダン・バロック両ピッチの伴奏をフル装備、そし て練習用部分伴奏も万全に収録)がセットになった高級シリーズですが、 バロックソナタの1つか2つの楽章だけで一つの製品に構成した「楽章 バラ売り」の、独特な製品です。  このシリーズを皆様のご支持をもっといただける製品にするため、製 品の仕様は全くそのままに、全品、大幅に値下げを行います。  新価格は、  CD1枚と楽譜のセットとなる製品=1700円  CD2枚と楽譜のセットとなる製品=1900円 です。 http://www.recorder.jp/announce03.htm#classics …………………………………………………………………………………… ★「指回り難度」の表示開始・指回りスキル判定ゲーム★ ……………………………………………………………………………………  クラシック曲について、「どの曲が難しいのかやさしいのかわかりに くい」というご意見をいただいたことがありました。それで、検討を重 ねてきました結果、「指回りについての難度」を考えて表示することに しました。演奏の難しさは「指回り」だけではありませんが、そのへん を言い出すとたいへん複雑な話になってしまいますので、ここはわかり やすくするために「指回りの忙しさ」に絞って、その観点から曲の難し さを表示することにしたのです。  難度は、まずおおざっぱに「初級=A」「中級=B」「上級=C」と いう目安にしました。そして、Aをさらに1〜2の2段階に、B・Cは それぞれ1〜3の3段階に分け、全体を次の8段階としました。  つまり、やさしいものから順に、 A−1 A−2 B−1 B−2 B−3 C−1 C−2 C−3 となります。 http://www.recorder.jp/stages.htm  なお、これによる難度表示をすでに 「クラシック曲リスト」 http://www.recorder.jp/classics.htm  などで行っておりますので、製品のご購入をご検討いただくさいには、 参考にしていただければ幸いです。  また、「自分の腕前はどれぐらいなのか?」をある程度知るための目 安にしていただくため、「指回りスキル判定ゲーム」を作ってみました。 と言っても、要するに「この曲が演奏できますか」ということで、楽譜 をごらんいただいて伴奏に合わせて吹いてみていただくというだけのも のなのですが、お暇なときにでも、どうぞ一度遊んでみてください。そ して、皆様から率直なご意見がいただければ幸いです。 http://www.recorder.jp/stage_1a.htm …………………………………………………………………………………… ★「佐倉リコーダーフェスティバル(10月19日)」リポート★ ……………………………………………………………………………………  佐倉リコーダーフェスティバルに参加して来ました。9時過ぎのリハ ーサルから5時過ぎまでリコーダーの響きを堪能しました。 この佐倉市民音楽ホールはとてもよいホールで、残響も程よく、舞台 の上では自分の音がよく聞こえ、ちょっぴりうまくなったような気がし ます。 客席は残念ながらほとんど出演者ばかりのようで、半分以下の入り、 その出演者ですが、ご夫婦の大道芸(?)のようなのから小学生33名 の団体さんまで20グループ。年齢層については小中学生は別にして、 40代以上の方がほとんどのようでもっと若い年代の方にもリコーダー の魅力を知ってもらえたらという気がします。 また、編成は10人前後のグループが多く、やはりバス以下の低音パ ートのしっかりしたところは落ち着いたバランスで聞こえるのですが、 アマチュアでバス以下のリコーダーを持っている人は少ないようで、そ れぞれ苦労があるようです。 当日ゲストで濱田芳通(はまだよしみち)さんというプロの方が、ファ ン・エイクの「イギリスのナイチンゲール」、「美しき娘ダフネ」、広 瀬量平さんの「ヒム(讃歌)」の3曲を吹いてくださいました。 ファン・エイクはとても刺激的というか攻撃的というか、「笛の楽園」 のイメージが変わってしまいました(でも私はオーソドックスなほうが 好き)。 広瀬さんの曲はさすがに現代奏法のオンパレード、声を出しながら吹 くというのも初めて聞きました(笛が壊れるのではと思うくらいの熱演!)。 実は自分の出番が終わったら途中で帰ろうと思っていたのですが、ギ ターとの共演、篠笛の演奏、電子リコーダー(?)ありと盛りだくさん で結局最後まで聞いてしまいました。特にラスト4組の演奏はすばらし く、最後まで残った甲斐がありました。もしかして下手なもの順?んな わけないと思いますが(ちなみに私たちのグループの出番は前から数え たほうが早かったです)。 というわけでリコーダーにどっぷり浸かった秋の一日でした。   以上ご報告致します。                            by kazu …………………………………………………………………………………… ★朝岡聡さんも出演される「アンサンブル山手バロッコ」演奏会★ ……………………………………………………………………………………  ニュースキャスター朝岡聡さんが所属されている「アンサンブル山手 バロッコ」が、「クリスマスにバロック音楽を」と題して、横浜市山手 の洋館でコンサートを行います。 ■アンサンブル山手バロッコ  第12回演奏会「クリスマスにバロック音楽を」 ■曲目 ・クヴァンツ リコーダー、フルートと通奏低音のためのソナタ    ハ長調 ・バッハ フルート、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調   BWV1038 ・ハイドン 2本のフルートと低音のためのロンドントリオ ト長調 ・モーツアルト フルート、ヴァイオリン、ファゴットのための    ディベルティメント ト長調    ほか ■日時  2003年12月14日(日) 午後3時開演 ■場所  山手234番館 レクチャールーム  (元町公園前、えのき亭隣り)JR京浜東北線石川町駅下車20分、  または桜木町駅から市営バス11系統「元町公園前」下車すぐ ■出演  Ensemble Yamate-Barocco  (朝岡聡:お話&リコーダー、曽禰寛純、江口陽子:フラウト.トラ  ヴェルソ、角田幹夫:ヴァイオリン、鈴木忠:ファゴット、中尾晶  子:バロックチェロ、脇田美佳:チェンバロ) ■入場料  無料(定員30名 要予約)  ■予約受付について ・お問合せ&予約先:山手234番館(045-625-9393) ・予約受付は11月29日(土)午前10時から http://www.recorder.jp/playera02.htm#topics …………………………………………………………………………………… ★その他のおもな新着記事★ …………………………………………………………………………………… ■「だざいふリコーダーアンサンブル」20周年記念チャリティーCD  すてきなCDです。みなさまぜひお求めください。 http://www.recorder.jp/toplink03.htm ■リンク集に「たまの音楽家」を追加  掲示板にもよくお越しくださるWind-wayさん、レッスン日誌で有名な Key-mamaさんなどが所属されているアンサンブル「たまの音楽家」のサ イトにリンクしました。 http://www.recorder.jp/link.htm …………………………………………………………………………………… ★編集後記★ ……………………………………………………………………………………  やっと一連の値下げや製品仕様変更を行って、当初、プロジェクトと してスタートしようとしたときの初心に帰っていく思いです。  もともと私がリコーダーという楽器にしびれるような魅力をおぼえた のは、その音色の魅力や音が大き過ぎないこともさることながら、何よ りも、小さくて軽い、そして値段も安い、こんなシンプルな楽器がすば らしい伝統を背負っていて、すばらしい音楽演奏文化の担い手となれる (担い手として復活できる)可能性を持っていることだったのです。つ まりは「楽器が小さくて安い」ことは、それ自身、リコーダーの魅力の 中の、とても大切な一つのファクターでした。  リコーダーJPがお届けする「CDによるチェンバロ伴奏」も、そういう リコーダーの性格に合うものでありたい。マッチするものでありたい。 そのためには絶対に「こんなに安くていいのか?」と思われるほど安い ものでありたい。それが、私のもともとの思いでした。  しかし、現実に制作・製造にかかるコストはあります。そのあたりを どのように調和させ、解決していくか。いろいろ苦しい模索が続きまし た。「最初のうちはすこし高くても買ってくださるような熱心なリコー ダーファンの皆さんから支えてもらおう」というようなことを考えたの も事実でした。しかし、正直なところ、ままならぬことが多く、ひとこ ろは私自身、展望を見失いかけて、かなり苦しみました。  そして、ある時期にふっきれて、こう考えるようになったのです。 「とにかく費用をかけない方法で制作することにして、息長く続けよう。 自分は輪の中心にいて力の及ぶ限り頑張りながら、たくさんの人たちの こころざしを少しずつ確実に結集しよう。それらを無駄なく効率よくま とめて結実させる能力、それぞれのかたが気分よくお力を貸してくださ るような企画力とコーディネート能力を身につけることをめざして努力 を続けよう」 と。  世は不況が続いています。高価なモノに囲まれ物質的に豊かであるこ とが幸せであると考えるような価値観が、いま強く揺さぶられています。 リコーダーJPの提案は、「驚くほど安い値段で、正真正銘の本物の音楽 演奏ができる」ものとしてのリコーダー演奏環境の提案でありたい。そ の初心に戻って、リコーダーJPの製品体系をしっかり組み立て直そうと いう思いで知恵をしぼってきました。そして、強い決心をもって、今回 の一連の新シリーズ企画や製品仕様変更・価格体系変更の取り組みにあ たってきたのです。  しかし、まだまだ足りない部分もたくさんあると思います。これから もたゆまず努力を続けたいと思います。皆様のご指導とご支援を今後と もよろしくお願い申し上げます。 -----------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                         015号 2003.10.29. ----------------------------------------------------------------- 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※上記URLから「まぐまぐ」による配信がお申し込みいただけます。現在  リコーダーJPから直接ご購読いただいている皆様は、もしできました  ら「まぐまぐ」による配信へと切り替えていただけるとありがたく存  じます。お手続きは簡単です。なお、「まぐまぐ」による配信手続き  をしていただけたかたは、リコーダーJP info@recorder.jp へもご一  報ください。こちらからの配信を次の号より停止いたします。お知ら  せいただけませんと、「まぐまぐ」とリコーダーJPから、2通のメル  マガが届いてしまいますので、ごめんどうですがどうぞよろしくお願  いいたします。