-----------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                       048号 2008.12.1. ----------------------------------------------------------------- ★ごあいさつ★  大阪も寒い日が多くなって参りました。皆様はお元気でお過ごしでしょ うか。  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン第48号をお届け いたします。 ■目次■  <ごあいさつ>  1 2008年12月の新刊  2 2009年1月の発刊予定  3 マルチェロ「作品2」完結に寄せて  4 編集後記 …………………………………………………………………………………… ★1 2008年12月の新刊★ ……………………………………………………………………………………  2008年12月の新刊は次の6タイトルです。 ■クラシックBest RB-019 945円 バッハ ソナタ ト短調(原曲ロ短調) BWV1034 http://www.recorder.jp/classic/cb104.htm ■グレートクラシックス RG-079 945円 ヴェラチーニ ソナタ 第4番 変ロ長調 http://www.recorder.jp/classic/cv204.htm ■グレートクラシックス RG-080 945円 マルチェロ ソナタ ト短調 作品2?11 http://www.recorder.jp/classic/cm111.htm ■リコーダー音楽叢書 SR-028 3990円 J.S.バッハ ソナタ集 第2巻 http://www.recorder.jp/classic/sr/sr028.htm ■フルート音楽叢書 SF-010 2940円 W.A.モーツァルト 初期フルートソナタ集 第3巻 http://www.recorder.jp/flute/sf010.htm ■ヴァイオリン音楽叢書 SV-005 2940円 W.A.モーツァルト ヴァイオリンソナタ ヘ長調 K.V.376 http://www.recorder.jp/violin/sv005.htm  バッハのト短調ソナタは、ずいぶん前に企画していながら、演奏がむず かしいためになかなか製品化ができなかったものです。「困ったときの Mariaさん頼み」で、RJPサポーター最強のMaria Fogelさんに演奏例をお 願いすることで、ようやく製品化が実現しました。そういうわけで、満足 なテンポで演奏するのは至難の曲ですが、例によって十分にゆっくりなテ ンポの練習用伴奏も収録しましたので、どなたにも一生の御供にお勧めで きます。  ヴェラチーニの「第4番」は、RJP第5作となります。ややこしいので すが、ブリュッヘンなどの演奏で親しまれている「第6番」を先にリリー スしてありますので、現在、1・2・3・4・6番が既刊です。どの曲も 本当に大規模かつ斬新で、制作するたびに「やはりヴェラチーニはすごい」 と感じています。  そしてマルチェロは「11番」、これで「作品2」の全12曲が完成と なります。これもチャコーナの終曲をもつ「12番」は先にリリースして いますので、この11番が最後になりました。最後の1曲になって、長ら くお待たせしてしまいましたが、ようやく完結しました。  「叢書」ではバッハの第2巻で、「ト短調 BWV1034」は「ブック」版と 同時リリースということになります。ほかにヘ長調(原曲変ホ長調)BWV10 31を収録しました。あのシチリアーノはいつ聞きいつ演奏してもしみじみ と心に染みます。  「フルート音楽叢書」では「モーツァルト 初期フルートソナタ集」が 完結です。今回発売の「第3巻」には、ハ長調・K.V.14と変ロ長調・K.V.15 の2曲が収録されています。大塚由貴さんの演奏例はあいかわらずのすば らしさです。  そして「ヴァイオリン音楽叢書」ではモーツァルトのヴァイオリンソナ タが初登場、K.V.376のへ長調のソナタです。自由な音楽家としてウィーン に移り住んだモーツァルトの希望に胸ふくらむ思いがそのまま音楽になっ たような、はつらつとした音楽です。 …………………………………………………………………………………… ★3 2009年1月の発刊予定★ ……………………………………………………………………………………  11月は5タイトルを予定しています。グレートクラシックスでは久々の 「忠実な羊飼い」で第1番、そして人気のサンマルティーニのトリオソナ タから第2番を準備しています。  「リコーダー音楽叢書」では「ルイエ・第9巻」で、作品3-1、3-2、 3-3の3曲を収録します。  他には「フルート音楽叢書」で「モーツァルト ソナタ ヘ長調 KV376」 で、12月にヴァイオリン用でリリースしたばかりの曲の編曲です。モーツ ァルトのソナタは、このようにヴァイオリン用を原則としてフルート用に コンバートして出していきます。さらにリコーダー用も・・・とも思って いるのですが、いかがなものでしょうか。  さらに「ヴァイオリン音楽叢書」で、ヴェラチーニの第3番を予定して います。 …………………………………………………………………………………… ★3 マルチェロ「作品2」完結に寄せて★ ……………………………………………………………………………………  長くかかりましたが、マルチェロ「作品2」12曲がようやく完結しま した。ほとんどの曲で通奏低音実施をお願いした松崎泰治さんはじめ、た くさんのみなさんの支えをいただいたおかげで、ここまでたどりつくこと ができたのだと思います。  マルチェロをめぐる、いくつかの思い出を記しておきたいと思います。 ■作品2?6の4楽章  はじめて演奏してみて製品になったのは「作品2?6」のソナタでした。 制作当時も本当に惚れ込んで、RJPホール(当時)で催した小さな演奏会 でもこのソナタを取り上げましたし、同じくRJPホールで行なわれたピアノ の教室の発表会でゲスト出演させていただいたときには、先生のピアノ(な んと平山照秋さん作のアンドレアス・シュタイン)との共演で、同じくゲ スト出演のヴァイオリニストさんにタンバリンを叩いていただいてのゴキ ゲン演奏を実現しました。シュタインは音量もチェンバロよりむしろ小さ いぐらいで、アルトリコーダーとの相性にも問題を感じませんでした。ま た、このときは、CDに収録した演奏 http://www.recorder.jp/rm/cm106_4a.ram よりも少々速いテンポで演奏しました。即興で伴奏してくださったピアノ の先生(平山さんのお墨つきのすばらしい奏者です)の演奏もすばらしい ものでした。  この「マルチェロ作品2?6にパーカッションを入れてみたい」という のは、石田がこの曲を弾いて吹いてみたときからの懸案でした。バロック ダンスの音楽を舞台で演奏させていただいたときに、チェンバロ・リコー ダー・パーカッションという当時よく行なわれていた編成での演奏を経験 し、これは楽しいなと思っていた矢先のマルチェロのこの楽章でしたので、 いつかきっとやってみたいと思っていたことでした。ただ、このときのピ アノが「モーツァルトピッチ」のアンドレアス・シュタインでしたので、 ピッチは「A=426Hz」ぐらいでした。フラウト・トラヴェルソならこれに 対応できる楽器もありますが、そんなリコーダーなど持っているはずもな く、モダンピッチアルトの管をうんと抜いて演奏しました。さすがに高音 のピッチが厳しく、かなり調子はずれの演奏になってしまったのが心残り です。 ■2?12をマンチーニと発表  作品2?12についてはお恥ずかしいエピソードがあります。それは、 この曲を最初まちがえて「マンチーニの12番」と発表してしまったこと です。  ずっと以前に、あるリコーダー奏者さんから何曲かファクシミリの写し をいただいた中に、マンチーニの11番と、この曲がありました。11番 と12番という「続き番」であった上に、2曲とも同じような26孔ルー ズリーフ綴じのコピーであったため、この「12番」を「マンチーニの12 番」だと完全に思い込んでしまいました。  マンチーニとマルチェロではずいぶん作風が違います。濃厚な情緒で、 ときにおどろおどろしいような音楽をくりひろげるマンチーニに対し、マ ルチェロは概してじつに軽やか・爽やかな作風。当時も「えらくまたマン チーニらしからぬ軽妙な曲だな」とは思ったものの、思い込みとは恐ろし いもので、まったく露ほども疑わずに「マンチーニの12番」と発表した わけでしたが、詳しいファンのかたからのご指摘で、あわてて調べ直した ところ「マルチェロの12番」であることが判明したのです。汗顔の至り でした。  ともあれこの曲の「チャコーナ」の爽快さを愛するかたは多いでしょう。 上述の事情で、通奏低音実施も、いつもの松崎さんでなく田淵宏幸さんに お願いしてしまった曲ですが、田淵さんの実施も堅実で、曲の魅力をよく 引き出してくれたと思います。 ■「アマチュア作曲家・マルチェロ」  石田が作曲家紹介に書いた「アマチュア作曲家」という言い方は、皆様 にもインパクトのある言い方だったようで、何人かのかたがそのままお使 いになっているのを見ました。マルチェロが、後年は政治家になってしま って、何か特別の機会がないと作曲しなくなってしまったという話は石田 も調べていてじつに面白く感じました。そして、そのことと彼の作風とを 結び付け、「形や因習にとらわれない自由な精神が息づいている」と評し たのですが、その考えは今も変わりません。  政治の家に生まれ、将来は政治家になることが決まっていたが、音楽に も秀でていて、「自分はディレッタントだ」と言いながらすばらしい作品 を生み出したマルチェロが、じつに「イカス」と思うのは私だけではない ようです。  このマルチェロの「作品2」全曲を完成できたことは、本当に嬉しいこ とです。この場を借り、松崎さん・田淵さんをはじめ、ご協力いただいた 皆様、応援してくださった皆様に、心からお礼申し上げたいと思います。 …………………………………………………………………………………… ★4 編集後記★ ……………………………………………………………………………………  「ピアノを予定しすぎ」の影響はまだ残っていまして、いろんな制作 作業予定が押して押して、てんやわんやのRJPです。何とか数か月のうち にはこのあたふたを収拾して着実なペースにもっていきたいと思ってい るのですが・・・しかしそんなことばっかり言ってるような気もしてお 恥ずかしい限りです。  吉野教育図書さんのご協力を得ての「リコーダー音楽叢書」学校用セッ トのプロモーションも、吉野さんの「音楽練習ノート」見本への挿入ペー ジ広告が刷り上がってきて、いよいよスタートです。「海外販売」の方 も、もう一息で実際に販売開始していただけるハズになっているのです が、決済方法をめぐる問題でちょっと停滞してしまっています。何とか 今年中には実現まで漕ぎつけたいと思っていますが・・・。  これからも頑張ります! (RJPディレクター 石田誠司) -----------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                         048号 2008.12.1. ----------------------------------------------------------------- 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。