------------------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                       093号 2015.7.23. ------------------------------------------------------------------------ ★ごあいさつ★  こんにちは。  梅雨明けだそうですが、大阪は昨日も今日も雨模様、まだ明けていないような 気がします。どちらにせよ、もう間もなく真夏が来るのでしょうけれど・・・。 お住まいの地域ではいかがでしょうか?  いつもご愛読ありがとうございます。RJPメールマガジン、第93号をお届けい たします。演奏会情報ほか。 RJP刊行物総合カタログ http://www.recorder.jp/rjpcatalogue.pdf ■目次■  <ごあいさつ>  1 いにしえのひびきにのせて 中田聖子チェンバロコンサート (9/8 兵庫)  2 濱田あや チェンバロ演奏会 (9/18 東京, 9/25 大阪)  3 2015年8月の新刊  4 編集後記 …………………………………………………………………………………………… ★1 いにしえのひびきにのせて 中田聖子チェンバロコンサート (9/8 兵庫) ……………………………………………………………………………………………  チェンバリスト中田聖子さんが、宝塚ベガホールのロビーで、ホール所有の チェンバロを用いた無料コンサートを行ないます。  平日の午後2時からですが、可能なかたはぜひおでかけください。  なお、このロビーコンサートはシリーズで企画されており、12月8日(火)、 来年の3月8日(火)にも行なわれます。 http://www.recorder.jp/events/150908.htm ……………………………………………………………………………………………… ★2 濱田あや チェンバロ・リサイタル (9/18 東京, 9/25 大阪) ………………………………………………………………………………………………  ニューヨークを拠点に活動されているチェンバリスト・濱田あやさんの演奏会 ートです。東京公演は近江楽堂、大阪公演は、大阪を代表する名建築のひとつと いわれる大阪倶楽部で行なわれます。 http://www.recorder.jp/events/150918.htm ……………………………………………………………………………………………… ★3 2015年8月の新刊 ………………………………………………………………………………………………  8月は2タイトル(+2)がリリースになります。 ■シックハルト アルトリコーダーソナタ 変イ長調 作品30-17  シックハルトの「すべての調による24のソナタ」(ブリュッヘン版)による全ソ ナタの出版をめざし、第17曲目です。たいへん練習しがいのある面白い曲です。 http://www.recorder.jp/piece/2/2169.htm ■ボワモルティエ アルトリコーダー二重奏曲 作品11-1  ボワモルティエのデュオ組曲は「作品17(全6曲)」が完結し、第2のシリーズに 入りました(と言っても出版年からいえば逆順になりましたが)。 http://www.recorder.jp/classic/sr/sr083.htm ……………………………………………………………………………………………… ★4 編集後記 ………………………………………………………………………………………………  ボワモルティエは「曲大杉(多すぎ)」というやつで、どれから始め、どんな順 番で出版していくのがよいのやら、正直、さっぱり見当がついていません。ここ までの出版歴も、まぁぶっちゃけ、行き当たりばったりです。  ただ、とにかく flauto a bec, すなわちアルトリコーダーが指定楽器(のひ とつ)になっているものを優先して出版していくつもりです。横吹きフルート用 作品の移調出版などに手を出し始めたら、さらに相手は怪物的に膨大となって、 とても太刀打ちできませんので・・・  他方、シックハルトの「すべての調による24のソナタ 作品30」は、ブリュッ ヘン他の校訂によるベーレンライター版(全音版)の「調性選択」と「配列」に よりながら、内容的には独自の校訂版として発刊を開始し、13年を費やして、やっ と17曲目まで来ました。コンプリートまであと4年ぐらいかかりそうです。  ところで、「調性選択と配列」なんて妙なことを言うようですが・・・  これには、2つほどの事情が関係しています。  第一には、シックハルトが生前に出版したオリジナルの版においては、あらゆ る曲について2つの調性の可能性(第1候補と第2候補)が示されている、とい うことです。たとえば第1番であれば、ハ長調の曲ですが、第二候補として嬰ハ 長調ででも演奏できる、というように。  ですから、ある曲を、「どっちの調で演奏しようか?」ということが、つねに 問題になるわけです。  第二には、「原典は、全ての調を、第一候補の調だけで順番に網羅するように キレイにはできていない」ということがあります。  最初は好調に始まります。第1番・ハ長調(嬰ハ長調)の次は第2番・ハ短調 (嬰ハ短調)、次は第3番・変ニ長調(ニ長調)・・・と、第1候補の調が、半 音ずつ高い調に移っていくように曲が配列してあるのですが、、、  どうしたわけか、途中から、これがおかしくなってきます。順番から行けば次 には変ホ長調が来ないといけないところに、とばしてホ長調の曲を置いたのを手 始めに、ところどころで、ある調をとばしたり、同じ調を重複したりと、迷走ぎ みになっていくのです。  が、それでもとにかく、しだいに高い調へと進んで、変ロ長調、ロ短調、最後 にまたハ長調が戻って、何とか「1周」をやりとげます。  こうして、  「全部の調を網羅するぞ!と思って作り始めまして、途中はチョイトおかしい   ところもあちこちにできちゃいましたが、まぁ大体は網羅しました」 みたいな格好の曲集として、残してくれました。  そこで、これを、本当に「24の調を、異なる24のソナタに、キレイに割り当て た曲集」にする(ベーレンさんのような出版社が現代譜として出版するなら、 ぜひともそうしたいところでしょう)には、あーでもないこうでもないと、まる でパズルを解くかのような熟慮が必要になります。  ブリュッヘンは、ベーレンさんからの出版のために、曲をあれこれと演奏して みながら、ずいぶん知恵をしぼったに違いありません。よくこそ、こんなにうま く 割り当て切ったものだと心から感心いたします。  とはいえ、ブリュッヘン版が唯一最高の正解というわけでもないでしょう。 たとえば、ブリュッヘン版では、結局はわずかに無理を生じて、原曲の指定とは 異なる調への移調が行なわれた曲もあります。  いずれにせよ、RJPとしては、せっかくですから「ブリュッヘン版の調選択と 配列による出版」というだけの仕事で終わりたくありません。  それで、いま考えていることがあるのですが、  「ブリュッヘン版にもとづく24のソナタ・作品30」のシリーズが完結しました ら、この仕事をベースにして、作品30のソナタ集の ★「オリジナル版」 を、原則「ご予約者のみ」の限定部数印刷で、出版できないかな、と。 つまり、 ★シックハルトの原典通りの調指定と配列による「作品30」のソナタ集 です。  各曲には、シックハルトが示した2種類の調による楽譜と、その調による伴奏 を提供するCDを付属させましょう。ついでですから「バロックピッチによる CD」もつけましょうか。  それやこれや、かなり分厚い本が多数セットされ、かつ膨大なCDが付属する ずっしりした全集になると思います。したがって、どうしてもある程度高価な ものとなるでしょう。  高価なものになればなるほど、反比例して、印刷できる(つまり買っていただ ける)部数は少なくなり、その結果、ますますお値段は高くなり、いよいよ、 買ってくださる物好きなかたはたいへん少なくなるというジレンマの地獄に陥 って、実現不能になるかも知れませんね。「買うよ」と言ってくださるかたが 一定数は手を挙げてくださらない限り、製造はおろか、制作作業にすら着手で きませんから・・・  やっぱり、紙〜CD媒体による出版は、チョット無理なのかも知れません。 (RJPディレクター 石田誠司) -----------------------------------------------------------------  リコーダーJP メールマガジン                         093号 2015.07.23. ----------------------------------------------------------------- 編集・発行 リコーダーJP http://www.recorder.jp info@recorder.jp ※このメールマガジンは、お申し込みにより配信しています。もしも間 違いやいたずらの登録により配信がなされている場合や、購読を停止 される場合は、リコーダーJPダイレクトの皆様ならば、お手数ですが、  上記 info@recorder.jp まで「メールマガジン不要」などの題でメー  ルでお知らせください。「まぐまぐ」からお申し込みいただいた皆様  は、  http://www.recorder.jp/magazine_mag2.htm  から配信停止のお手続きをお願いいたします。 ※リコーダーJPからの配信は「B.C.C.配信」です。